桑田佳祐 「MUSICMAN」を聴いた
2011年2月23日、遂に発売されました。桑田佳祐のニューアルバム「MUSICMAN」（ミュージックマン）。オリジナルアルバムとして約9年ぶりの作品。初回限定版はＰＶ＆ドキュメントＤＶＤ、セルフライナーノーツ付。桑田佳祐自身、大病を患い、闘病、そして復活して完成させた作品だけに期待も大きいはず。口コミでも大分評判でした。かねてからの桑田ファンとして、今回はそのニューアルバムを勝手に、個人的に全曲レビューしてみたいと思います。
さあ、続きです。ここまで聴いてかなりアルバムの色を掴めてきた気がします。
9曲目「君にサヨナラを」。イントロからサビまで原由子の曲の様。普段はここらで原ボーの歌があるはず…。そうか、これはソロアルバムだから桑田さんが歌うのか（笑）後ろにはしっかりと原ボーのコーラスが入って来ています。CM曲にもなったポップナンバー。非常にサザンっぽい曲。
10曲目「OSAKA LADY BLUES～大阪レディ・ブルース～」はクラシックでおちゃらけたなロックナンバーです。良い感じに力の抜いたボーカルと面白い言葉遊びが特徴。「何べんも言う」と言う歌詞が最高。深刻な悩みスパイラルに陥った時、酒を飲みながらこの曲を聴いたら気が楽になりそう（笑）
11曲目「EARLY IN THE MORNING」はめざましテレビでも使われたおなじみの曲。清水美恵の声はかなりエロい感じで、家族と一緒に聴けない曲。こんなのを朝から流すめざましテレビも冒険野郎ですね（笑）個人的にはちょっと聴きづらい曲かもしれません。
正直なところ、「01MESSENGER-電子狂の詩-」くらいクールだったら良かったなあと。
12曲目「傷だらけの天使」。音にとてもこだわりを感じます。洋楽的でとっても大人なナンバー。「大丈夫、マイフレンド」と言う歌詞が心に響きます。メロディーにそんなに起伏は無いのですが、歌詞がとっても味わい深い。この曲は歌詞を聴く曲でしょう。
13曲目「本当は怖い愛とロマンス」。ここにきてエンジンがかかって来ました。おそいよ桑っちょ！ビートルズライクなサウンドに乗せて歌われるナンバー。曲、声、歌詞共に最高です。素晴らしい。アルバムいっぱいこんな曲だったらいいのに。っとそれは贅沢ですね。明るいのに切ない、このバランス！自分が一番好きな桑田さんが発揮されてると言えます。シングルなのにＢメロが無いところも良いですね。サウンドも今っぽさを追っておらず、純粋に良いサウンドを求めた模様。そこが当たっています。今の桑田さんは、無理して時代を追うより、桑田オリジナルな世界をとことんつきつめてほしい。それをかなえているのがこの「本当は怖い愛とロマンス」と次の「それ行けベイビー!!」と言えます。
14曲目「それ行けベイビー!!」。おお、これも最高。2010年末の紅白歌合戦で歌われたことで有名ですね。エレキの弾き語りスタイルに初めてトライした曲とのこと。「真面目に好きなようにやんな」と言うメッセージは心に深く届くはず。桑田さんが好きな「ボブ・ディラン」や「ニール・ヤング」をとことん盛り込み、しかし桑田ワールド。途中、マイクに何かが当たる音も残してあるところが「生」へのこだわりを感じます。取ろうと思えば取れるノイズのはずですから（笑）ギターの音もすばらしい。
病気と闘っていたことを思わせるような歌詞も神がかっています。「神様願わくば私を責めないで」と言う歌詞にも涙があふれます。
なんだか後半エンジンがかかって長くなってしまいました。（後半へ続く）【でんすけ】
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