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ドラマ 99年の愛 ~JAPANESE AMERICANS 感想
TBS開局60周年、そして終戦65年をむかえた2010年11月、壮大なスケールで放つ人間ドラマ『TBS開局60周年 5夜連続特別企画 99年の愛~JAPANESE AMERICANS~が放送されました。五夜連続で放送されたこのかつてないスケールのこのドラマ。率直な感想、キャスト、あらすじを書いてみました。ネタバレになってしまう部分もあるので、自分で見たい方はお読みにならないで下さいね。
■あらすじ
壮大な物語は、99年前、アメリカ本土へ渡った日系移民の話から始まる。そこで家族を築き、働き、そして生きるために様々な問題を乗り越えていく様子を描く歴史ヒューマンドラマである99年の愛。
人種差別や戦争による逆境・苦悩が彼らを襲い、そのたびに強く乗り越え、生き抜く家族。その中でもアメリカで生まれ日本を知らずに育った”日系移民2世”の長男平松一郎(草薙剛)には特に激動の運命が襲いかかる。一郎は日系アメリカ人による「442部隊」に志願し、日本人の魂を持ちながらアメリカのために戦うことを選んだのだ。
その兄の生き様を受けて妻のしのぶ(仲間由紀恵)、弟の二郎(松山ケンイチ)、父(中井貴一)、母(泉ピン子)の心境は大きく変化し、運命と立ち向かう強さをもらった。そしてやがて戦争が終わり彼らの新たな人生が始まる…。
■率直な感想
見た率直な感想は「思ったよりもちゃんと泣ける映画だな」と言う感想。なにしろこういった局企画もののドラマは必要以上に大げさなことが多く、そのわざとらしさに泣けないことも多いのです。しかしそこは橋田壽賀子。渡る世間は鬼ばかりで培った視聴者を飽きさせずに引き込んでいきます。
ネタバレになってしまいますが、主要人物がどんどん死にます。時代も第二次世界大戦中。戦後の描き方は特にハードで、とりわけ妹(川島海荷)は日本にとりのこされ、孤独と戦うというアメリカ組には無い試練が。ここらへんの容赦ない仕打ち、それでも救ってくれる人が必ずいるという描き方はやはり橋田マジック。単純な話では終わりません。アメリカでは教科書でも教えている「442部隊」のことを日本のドラマでしっかり描こうとしたのも評価できます。日系アメリカ人の部隊と言うその存在の複雑さから、日本ではあまり知られていませんから。偏見で見ないのはもったいないドラマでしょう。
一方で部分部分で「渡る世間は鬼ばかり」かと思う台詞まわしがある点はちょっと気になりました。特に「そんなことする道理はないよ~。」と言う台詞が多く、一瞬渡鬼??と思ってしまいます。まあ、ここは渡鬼シリーズを見てきた自分だから思うことかもしれませんので、普通に見たら特に気にならないかな。
戦闘シーン、そして戦後の復興シーンもけっこう盛りこまれています。普通こういった描き方だと現代に戻って、平和で終わり。といったストーリーが多いのですが、このドラマのクライマックスには日本組の妹とアメリカ組との感動の再会が待っています。しかし感動だけではない問題提起がなされていて、アメリカと日本のありかたにも少し触れています。ここは橋田壽賀子の考える「平和のありかた」についてが込められているのでしょう。しかし、松ケン、なんと言う恋の運命を選んだんだ…。生き残った者たちがつねに死んでいった者たちにリスペクトを送っているのには好感が持てました。長い話ですので、時間がない方は実は4話と5話だけでも楽しめたりします。DVDやブルーレイも出ますので。
今日は99年の愛~JAPANESE AMERICANSについてでした。【でんすけ】