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映画 ゲゲゲの女房 感想
映画「ゲゲゲの女房」は2010年11月20日公開の映画です。監督は鈴木卓爾、音楽は鈴木慶一が手がけ、出演は吹石一恵、宮藤官九郎、坂井真紀などです。今回は今話題の映画版「ゲゲゲの女房」について率直な感想を書いてみたいと思います。
日本を代表する漫画作家、水木しげる。代表作には「墓場鬼太郎」「河童の三平」「悪魔くん」そして「ゲゲゲの鬼太郎」などがあります。映画「ゲゲゲの女房」は、お見合いをしてから5日後の結婚。貧困にあえぎながらも、漫画を描き続け、支えあいながら暮らす夫婦の半生を綴った作品。水木ファンはもちろんのこと幅広い女性読者の共感をよんで、今や10万部を越えるベストセラーとなった、自伝「ゲゲゲの女房」の映画化です。
ドラマ版のヒットで知っている方も多いのではないでしょうか。ドラマ版との違いも気になるところですが、まずは、大まかなあらすじから書いてみましょう。
■あらすじ
島根県安来。良縁を願っていた29才の布枝に、お見合いの話が来ました。相手は武良茂。境港出身で年は布枝より10歳上です。茂は戦争で左腕を失い、東京でマンガを描いています。
布枝は彼の素性もよく知らないままお見合い。茂も同じように布枝の事は詳しく知りませんでした。驚くことに二人はお見合いから5日後には結婚式を挙げました。お互いに運命を感じたのか、成り行きなのか…。
穏やかな安来を離れて上京した布枝を待っていたのは、甘い新婚生活とは程遠い“底なしの貧乏暮らし”でした。恩給と貸本漫画の原稿料でもっと余裕のある生活を保障されていたと思っていたが現実は大違いでした。そうして戸惑いながらも二人の夫婦生活は始まったのです。
ここまではドラマでもうおなじみの話ですね。さっそく率直な感想に触れてみましょう。
■率直な感想
まずドラマ版と大きく違った印象をひとつ。茂の印象がまるで違うことです。ドラマ版は端正なルックスの向井理が演じていたので、どんなにとぼけた印象にしようとしても、とぼけきれない感がありました。ですが今回の茂役、宮藤官九郎はすでにとぼけた印象。茂の役柄もとぼけているので、「本当の水木さんはこんなだったのかな」とつい思ってしまいます。昭和当時の貧乏な生活を描いていますが、決して悲劇では無く、ライトで笑のある印象に。原作もドラマ版もそうですが、ここら辺は宮藤官九郎の映画作が一番脱力感があったかなあ。
ストーリーは最初の貧乏を乗り越え、徐々に心の距離が埋まっていく様子に重点をおいて描かれています。真正面からダイナミックに描くと言うよりは、ちょっと引き気味であっさりした感じもあるので、終わった後の感想は「大作を見たな」と言う感じではありません。映画館でよくテレビ局がお金をかけて作る「開局○○周年記念ドラマ」を見た感覚かな。でもその大作じゃなさがこのストーリーには合っていると思います。あえて言うなら淡々としすぎているのは気になりましたが。いろいろ書きましたが、ドラマ版をすべて見直す時間も無く、本を読むのもなんだか面倒という人におすすめなのはこの映画版でしょう。【でんすけ】