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映画 ジーンワルツ 感想
映画「ジーン・ワルツ」は2011年2月5日公開の映画です。監督は大谷健太郎。出演は、菅野美穂、田辺誠一、大森南朋、桐谷美玲さんなどです。主題歌は小田和正さんの書き下ろした「こたえ」になります。海堂尊の同名医療ミステリー小説の映画化。今回はそんな気になる「ジーン・ワルツ」について率直な感想を書いてみたいと思います。
海堂尊の作品は「救急医療」などで医療問題にスポットを当てたものが多いですが、この作品では産婦人科医療につての問題点を描いています。様々な問題を抱えている4人の妊婦が登場し、誰もが抱える問題点を表現していきます。そのなかで感動的な命のドラマが繰り広げられ「生命の誕生」に涙なしでは見られない作品になっているとのこと。まずは簡単なあらすじから。
■あらすじ
舞台は帝華大学病院の産婦人科。曾根崎理恵は産婦人科医であり帝華大学医学部助教でもある。医学生たちの前で教鞭もとる彼女は、体外人工受精や代理母出産の必要性を説くこともあり、上司の屋敷教授とはよく衝突していた。
そしてそんな理恵を複雑な気持ちで見守っているのは准教授の清川吾郎である。二人はかつて産科医院マリアクリニックで共に医学を学んだ仲間であった。だがしかし、院長、三枝茉莉亜のガン発症、ひとり息子の医療過誤逮捕事件、そして理恵の体を悲劇が襲ったのをきっかけにそれぞれの進む道は大きく分かれていった。
理恵は帝華大学の助教を務めながら、院長代理としてマリアクリニックに就任する。一方清川は、理恵に特別な感情を持ち始めるが、理恵の強い主張や言動に戸惑いを隠せない。そんな中でマリアクリニックは閉院間近となり、4名の最後の患者が定期的に通っていた。
自分の胎児が、自分では生命維持が出来ない“無脳症”であると判明した27歳の甘利みね子、未婚で妊娠し、安易な中絶を望む20歳の青井ユミ、長年、不妊治療をした末、悲願の妊娠をした39歳の荒木浩子、顕微授精により双子を妊娠した55歳の山咲みどり、そして、謎のジャーナリスト田中美紀が頻繁に理恵を訪ねてくる。しかしある日、日本では認められていない代理母出産に手を染めている人物がいるという噂が立ち、理恵はマスコミに大々的に取り上げられる。
そして、清川は真相を突き止めるために理恵の周辺を探り始める…。
■率直な感想
なにやら重めのテーマですが、そこは海堂節。しかし、今までの「チームバチスタ」、「ジェネラルルージュ」と同じと思ったら結構違います。もちろん、監督も違いますし当然なのですが、よりシリアスなテーマなので見る人を選ぶかも。エンターテイメントと言うより、じっくりストーリーを楽しみたい人向けですね。
生命の誕生シーンをこの映画のキモですので、さすがにぐっと来ました。様々な知識もちりばめてあるので、見終わった後は、ちょっと頭が良くなった気がします(笑)。原作に必ずしも忠実ではありません。しかし、要点はまとめてある感じ。伝えたいことは上映時間内にしっかり伝えたと言った印象。しかし、決して理屈っぽくならず、映画として視覚的にもきちんと伝えていた点は高評価です。同じような状況の女性には涙無しでは見られないかもしれません。男性としても、スリリングかつ考えさせられる内容。あと、重い内容ながら、ほっとするような息抜きのポイントもあるので(濱田マリは秀逸)、見ていて苦痛になるといったことは少ないでしょう。
ミステリー部分が少ないのは残念でしたが、それを補う涙のシーンで胸がいっぱいになる映画です。…今回は結構真面目にレビューしたなあ…。【でんすけ】