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映画 レオニー 感想
レオニーは2010年11月20日公開の映画です。監督・脚本・製作は『ユキエ』『折り梅』で家族の絆を描き、200万人動員の大ヒットを記録した松井久子。出演はエミリー・モーティマー、中村獅童、竹下景子などです。世界の観客に感動を届けたいというこの作品。今回は「レオニー」を見た率直な感想を書いてみたいと思います。
「レオニー」は、世界的彫刻家イサム・ノグチの母親であるアメリカ人女性、レオニー・ギルモアの波乱の生涯を描いた伝記ドラマです。松井久子は、ドウス昌代の「イサム・ノグチ~宿命の越境者」に感銘を受け、推敲を重ねた脚本は14稿、そして作品完成までの道のりは7年に及んだといいます。
その熱意に、フランス・セザール賞の撮影監督・永田鉄男や、アカデミー賞に輝く作曲家ヤン・A.P.カチュマレクなど、世界で活躍する一流の映画スタッフが集結し、日米13都市にわたるロケ地での撮影を敢行しました。困難な時代に自らの意志で人生を切り開く一人の女性の切なく力強い生涯を感動的に描いています。
『マッチポイント』『シャッター アイランド』 のエミリー・モーティマー、中村獅童、竹下景子など豪華俳優陣の出演も話題となっています。
■あらすじ
20世紀初頭のニューヨーク。これからは女性も仕事を持って生きる時代と、文学の道に進む夢を持ち、希望に満ちた人生が待っていたはずだったレオニー。しかし、一人の日本人の青年との出会いによって、彼女の人生は波乱に満ちたものとなっていく。
レオニーは彼を愛し妊るが、男は一方的に日本へ帰国してしまう。シングルマザーとなった彼女は、子供とともにアメリカと日本の二つの国で、困難な時代を生き抜いていく。我が身の不幸を嘆くよりも、潔く運命を引き受け、自分らしく生きていこう。それが彼女の信念であり、また我が子に伝えたいたった一つのことだった。イサム・ノグチと命名された子供は、長じて“地球を彫刻した男”として世界中にその名を知られる芸術家と成長していくのだった。
■率直な感想
一言で言えば「強い女性」の物語です。それは肉体的強さでは無く、精神的強さ。主人公のレオニーは強い意志を持った女性として描かれています。そこに日本ドラマに多い「お涙頂戴のしめっぽさ」はほとんどありません。強く、たくましく、そして美しく。それらがイサム・ノグチの芸術に影響を与えているという描写でした。その「強さ」についていけない部分も少なからずありましたが、おおむね長めの上映時間の割には飽きの来ない映画だったかな。
中村獅童、竹下景子など、キャストも思ったより映画に合っていた印象。時代背景、服装、小物などにはこだわりも感じ、丁寧に描かれていただけに、物語のつじつまが少々乱暴だったのが気になりました。「そこは、芸術映画。想像でカバーしてくれ」といった感じなのかなあ。
日本の「お涙系」映画とは一線を画していますので、新鮮な部分もあり、いろいろ書きましたが、映画として見て損は無い作品だと思います。【でんすけ】