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映画 シングル・マン 感想

映画「シングル・マン」は2010年10月2日公開のアメリカ映画です。監督はトム・フォード、クリストファー・イシャーウッドの同名小説をベースに映画されました。日本でも公開前から期待する人が多かった「シングル・マン」。その評判は本物なのか!?

今回は映画・シングルマンの率直な感想に触れてみたいと思います。まずは主なあらすじから。

■あらすじ
時は1962年11月30日。ジョージは悲劇に打ちのめされて、絶望を感じていた。その原因は8ヵ月前の出来事による。16年もの月日を共に過ごした最愛のパートナー、ジムを失ってしまったジョージは生きる希望を失い、ついに死ぬことを決意する。淡々と準備をし、死ぬ決意も固まった当日。彼の心に変化が起きる。もうこれで最後だと思って眺める世界。それは今までとはまるで違う景色の様だった。仕事にも喜びを感じ、隣の家の少女との何気ない会話では、この上ない喜びが胸にこみ上げる。いつの間にか彼はこの世界に「光」を見出しつつあった。そんな中彼が下した結論とは…。

■率直な感想
あらすじを見るだけでもストイックで感傷的な内容が想像できます。ストーリーは監督のトム・フォードが自らの人生を参考にして作ったとのこと。日本での公開前から本国アメリカで口コミに上がっていたのは、監督の独特の「表現方法」でした。

見てまず印象に残ったのが、全体として、繊細な描写が多く、それが物語りを美しく彩っていた点。ファッション、小物、画面のトーンにいたるまで、おしゃれで1つの芸術作品とも呼べる感じがしました。心の明暗もうまく表現されており、感情移入もしやすかったです。

ストーリーについては見る人が男性と女性とでは大分見え方が違うのではないかと思います。と言うのも、劇中の「男性」の描き方がなまめかしく、男性的な「男」と描くと言うより、同性愛的な視点からより美しく描こうと言う意思が感じられます。
それは監督の趣向によるものも大きいからでしょう((実はフォード監督も同性愛者で、男性との同居経験があるとのこと)。その描き方が男性からみたら多少気になる部分もあるかもしれません。私は気になりませんでしたが、意外と女性の方が受け入れられるのではと思いました。

その部分に過剰にとらわれることなくストーリーを見たらよく出来たストーリーです。ここで結末を書くのは避けますが、絶望と希望の間で揺れるストーリーは見た後には「人生」と言うものをちょっと考えさせられてしまいました。101分の上映時間もちょうど良く、昨今の3Dアクション映画に疲れた人にはおすすめです。恋人と見るとなんとも言えない気分になりそうですが…(笑)

秋と言う季節が似合う映画になっているので、レイトショーで見るのがオツかもしれませんね。今回は映画シングル・マンについてでした。【井出】