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大河ドラマ 新選組! 感想

大河ドラマ『新選組!』(しんせんぐみ)は、2004年1月11日から12月12日に放送された43作目のNHK大河ドラマです。2006年に続編、「新選組 土方歳三 最期の一日」もありました。けっこう前の作品ですが、いまだにファンが多いということで、今更ながらその感想を書いてみようかと思います。ネタばれも多少ありますのでご注意を。

なお、本作は半沢直樹などで一大スター役者に上りつめた堺雅人の出世作でもあります。 作・脚本:三谷幸喜、主演:香取慎吾(SMAP)。

■あらすじ
田舎の若者の集まりで結成された浪士組。彼らはやがて時代の波の中、名を上げた「新選組」として活躍するのであった。西元治元年、京都で近藤勇、土方歳三率いる新選組は不逞浪士の取締に出動。長州藩の桂小五郎は取り逃がすも、沖田総司、近藤勇などの活躍により大きな成果を挙げるが…。時代は彼らをほってはおかなかった。最後の侍集団新選組。彼らを待つ運命とは…。

■率直な感想
以上が主なあらすじですが、まず気になるのは近藤勇役が香取信吾だと言うこと。見る前はあの行動さんがジャニーズ!?と驚いたものでした。しかしいざ見て、あとから思い出してみると新しい近藤勇のイメージを作ることに成功していたかなと思います。というのも、よく時代劇で描かれる規律に準じた殺戮集団といったものでは無く、青春群像として描かれていた点で、香取や、そして藤原竜也が合っていたのではないかと。

香取ははじめから局長として肝が据わっていたわけではなく、戸惑いながらも強くならざるをえなかったと言う難しい役どころを演じきっていました。 そして、香取以上に役に合っていたのが土方歳三役の山本耕史。彼がこのドラマの「闇」の部分を一身に背負っていましたし、それがなければやはり現実の新選組とかけ離れすぎていたことでしょう。彼がいたからこそ、他のキャラすべてが生きた。そう断言出来ます。

あとは、このドラマで大ブレイクした山南敬助役の堺雅人。特に切腹シーンの前後は涙無しでは見られません。この反響を背に、堺雅人はこの後長年に渡り映画、ドラマなどで大活躍することに。2013年のTBSドラマ「半沢直樹」は脅威の視聴率40パーセント台を記録しました。

ストーリー全体としても青春群像として良くまとめたなと言う印象。切腹や殺人など血なまぐさい出来事の多い新選組ですが、三谷幸喜得意のコメディタッチを入れることで見やすくなっていました。ここは賛否あるでしょうが、自分は良かったと思います。だってそうでもしないと悲しすぎるもの。特に河合 耆三郎さんだとか松原忠司さんだとか…。

難点は近藤さんがいい人すぎるところですが、ここは仕方が無いのかな。彼を中心にドラマにするにはそれしかなかった。その分土方さんが闇で活躍してくれますし。

全体として各キャラクターに愛着を持ちやすく、女性でも入っていきやすい大河ドラマかなと思います。見やすさ、おもしろさ、そして何よりキャラクターに愛着を持てるという意味で、大河ドラマでも特異な作品でしょう。自分は藤堂平助(中村勘太郎)と原田左之助(山本太郎)が好きでした。両極端な二人、作品のスパイスとして色を投じていました。

現代の青春群像劇とも見られるし、そこを受け入れられれば見る価値が大いにある大河ドラマの一つと言えます。自分も過去の大河ドラマの中で一番好きな作品です。

続編「新選組 土方歳三 最期の一日」も良かった。何しろ本編の最後が近藤勇の打ち首ですからね、ちゃんと続編を描いてくれたと言うのは大きいです。そう言った意味では真の最終回は土方歳三 最期の一日でしょうね。こちらもセットで見ることをおすすめします。

しかし大河ドラマ、高杉晋作出てこないなあ…。龍馬伝でようやく出てきたもんな。そんなアンタッチャブルな高杉。いつか彼が主役の大河ドラマを…彼の一生は短いから無理だろうか(爆)おっと、横道にそれました。横道ついでですが、斎藤一役のオダギリジョーはその後も幕末大河「八重の桜」に出演します。オダギリはそこで同志社大学の設立者、新島襄役を演じますが、その時の斉藤一役はなんとDragon Ashの降谷建志! なんだか不思議な感じでした。【でんすけ】