menu
  • Top >
  • 映画 >
  • 映画 太平洋の奇跡 感想

映画 太平洋の奇跡 感想

「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」は2011年2月11日公開の映画です。何と言っても日本の歴史の教科書にはほとんど載ることのなかった知られざる物語を全編、タイのラヨーンとサイパン島にて撮影したことで話題に。大場大尉役の竹野内豊の他、唐沢寿明、井上真央、山田孝之ら日本を代表する豪華キャストの熱演にも注目です。

舞台は大戦の激戦地で有名なサイパン島。たった47人の兵力で45,000人もの米軍を翻弄し続けた驚くべき日本人、大場栄大尉を中心に物語が語られます。日本の歴史の教科書でもほどんど語られることの無かった実話を元に氏しているという部分が最大の注目点。全編をタイ・ラヨーン、サイパン島でのロケ撮影を敢行。過酷な現場で撮られた映像はリアルさをとことん追求。

大場大尉役の竹野内豊ほか、唐沢寿明、井上真央、山田孝之など誰をとっても主演をはれる豪華キャストが話題になっています。 他に、大戦でのそれぞれの人物像をリアルに描くため撮影班を分ける試みが。日本側の指揮を平山秀幸監督率いる日本ユニット、アメリカ側の指揮をアメリカ人監督チェリン・グラック率いるUSユニット、バトルシーンはVFXユニットが担当するという驚きの3ユニット体制で撮影されました。これは日本初の試み。なんだかいろいろ注目が集まりそうな映画ですが、まずはあらすじから見ていきましょう。

■あらすじ
時は1944年、大戦の末期。激戦区サイパンに、アメリカ軍から「フォックス」の異名で呼ばれ、恐れられた一人の日本人がいた。その名は大場栄大尉(竹野内豊)。 大場大尉は兵士数が47人になりながらも奮起した仲間の兵士たちと共に、なんと16か月間もの長い間、敵に立ち向かい続け、多くの民間人を守ってきた。伝説にも近いこのエピソード。やがて彼らの誇り高き魂は日本人だけでは無く、アメリカ人の心をも動かすことに…。

■率直な感想
大場大尉を演じた竹野内豊がかなり良い感じでした。静かな情熱。それを描かせたらさすがですね。低い声に静かなまなざし。94年の「ボクの就職」と言うドラマで注目され、まだ初々しかったころ、誰がこんなに大人な演技を出来る俳優になると予想したでしょう。寡黙ながら、適切な判断力を持つ大場大尉をうまく演じ、適度に抑えた演技は秀逸でした。

一方、派手なバトル映画を期待している人には迫力不足な感もあり。過激なシーンは胸をえぐりますが、ダイナミックさと言う点では今ひとつでしょうか。史実を意識したからか、物語の起伏に欠けているともいえ、評価が分かれる所。プライベートライアン、プラトーンのような映画を求めると肩透かしをくらうかも。

先ほどの続きになりますが、ジャンル的には「派手なアクション映画」ではありません。とは言えフォックスと言う男を知るには良い映画ですし、無く語られるべき物語を静かに描くと言ったコンセプトがあったのでしょう。ちょっと大人向けの映画かな。静かな大戦映画に興味がある人にはお勧めです。

自分的に注目したのはやはり竹野内豊の鬼気迫る演技。どんどんやつれていくその様は役作りを超えているようにも…。それだけでも見どころですし、彼が嫌いじゃなければ見て損はありません。もうちょっとエンターテイメントさがあればもっと話題になったかもしれませんが…。その辺はやはりハリウッドがうまいですね。【でんすけ】