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映画 パラダイス・キス 感想

映画「パラダイス・キス」は2011年6月4日公開の映画です。監督は新城毅彦。出演は、 北川景子、向井理、山本裕典、五十嵐隼士、大政絢、賀来賢人、加藤夏希などです。矢沢あいの超人気コミックの実写映画化。個性的なファッションや登場人物が印象的な物語ですが一体どんな作品になっているのでしょうか?今回は映画「パラダイス・キス」について率直な感想を書いてみたいと思います。

「パラダイス・キス」は矢沢あいの人気コミックで「Zipper」で2003年まで連載していました。熱狂的なファンが多く、単行本は累計発行部数600万部を突破したと言われています。監督は「僕の初恋を君に捧ぐ」などを手がけた新城毅彦監督。原作で描かれているようなジョージがデザインする個性的なファッションを形にするために、人気アパレルブランドが全面協力していて、なんと、新作も提供しているとのことです。将来に悩む女子高校生が夢に向かって進もうとする仲間と出会ったことで、自分の道を見出していく姿が描かれているこの作品。個人的には主演がイメージと違いましたが、話題の二人の共演には注目が集まりそうですね。では始めに簡単なあらすじから書いてみたいと思います。

■あらすじ
有名進学校に通う早坂紫は、夢もなく、何の刺激もない高校生活を送っていた。受験を目の前にして成績は伸び悩み、同級生の徳森浩行への片思いも何の展もないまま、もう3年目を迎えていた。そんなある日、紫は矢澤芸術学院、通称“ヤザガク”の生徒・永瀬嵐から学園祭のファッションショーのモデルにスカウトされる。アトリエに連れて行かれ、嵐の彼女の櫻田実和子と女装したイザベラに会うが、紫の頭の中は受験のことでいっぱいいっぱい。「あんたの遊びに付き合っているヒマはない」と言い放ってしまう。

そして翌朝、紫の教室に嵐たちのリーダー的存在、小泉譲二、通称ジョージが現れ、紫の手を取り強引に外へ連れ出す。ジョージは、ヤザガクの教師でありトップヘアメイクアーティストの如月星次に紫の髪を切るよう頼む。ショーはコンテスト形式になっていて、ジョージと麻生香が優勝を狙っていた。ジョージは既に“Paradise Kiss”というブランドで様々な服を創っていて、仲間たちと一緒に手分けしてドレスの制作に入る。それを見ていた紫は彼らの情熱に少しずつ心を動かされていく。上手くいかない毎日は母親が厳しいからだと、人のせいにしていた紫だったが「お前の意思はどこにある?」とジョージに言われ、彼を見返すためにもモデルを引き受ける。

そんな中、母親とケンカして家出した紫は、ジョージのマンションに間借りすることになる。学校を休学し、自立を目指してジョージが紹介してくれた雑誌のモデルの仕事は一流のプロたちの現場で、紫はやっと夢に出逢えたことに気付く。そして、さりげなくサポートしてくれるジョージに惹かれていくのだった。だがジョージは卒業後にパラキスを解散して、パリへ修行に行くと宣言する。ショーの当日、紫はリハーサルでランウェイがまともに歩けない。本番が始まり、ステージに向かう紫の背中から聞こえたのは「自分の足で歩いて来い」というジョージの声。ショーが終わってしまえば別れが待っていることを胸に秘めて、紫は歩き出した…。

■率直な感想
原作への愛情無しでなんにもこだわらず見ると、ストーリー、向井理と北川景子のカッコよさは伝わります。しかし、原作を知っているファンからすれば、キャスティングの不自然さは否めません。見ているうちに馴染んでくるのを期待していましたが、最後まで原作のイメージを超えることは出来ませんでした。向井君、北川さんが悪いと言うより、キャスティングした側の問題。原作を読んでいたら、二人をキャスティングしなかったのではと思ってしまいます。まあでも今が旬な二人を使うことで生まれる話題性は無視できませんからね、そこらへんもあってのキャスティングだったのでしょう。商業的には理解出来ますが…。個人的にはいっそ素人の女の子を起用して、リアルにシンデレラストーリーを描いても良かったと思います。そして、その女の子が現実の芸能界でも注目され、映画も逆相乗効果でヒット…!机上の空論失礼

全体的なストーリーは原作にのっとっています。しかし駆け足で描くことによってちょっと薄く感じてしまうかもしれません。何と言うか表面だけすくっている感じがします。

うーん、これも原作の良さを知っているからか…。テンポももう少し良くてもいいのでは(特に後半)。映画版、NANAの一作目のような奇跡を期待していたのですが、それは難しいのかもしれませんね。かの作品は中島美嘉の棒読みっぷりやシン役の松ケンのミスキャストはありました。しかし、圧倒的にバランスが良かった。宮崎あおいも原作以上かとも思えるほどのキャラ作りでした。そんな奇跡が今回は見られなかったのが残念です。雰囲気は悪くないので、10代の女の子からしたら夢があるのかも。そこが救いです。主題歌、エンディングは良かった!【でんすけ】