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映画 星守る犬 感想

映画「星守る犬」は2011年齢6月11日は公開の映画です。監督は瀧本智行。出演は、西田敏行、玉山鉄二、川島海荷、余貴美子、温水洋一など。 村上たかしの原作を、映画化したこの作品。市役所職員が身元不明の男性と飼い犬の遺体の足跡を訪ね歩く中、自分自身の孤独な人生と重ね合わせていくというストーリーですが、果たしてどんな作品になっているのでしょうか。 今回は映画「星守る犬」について率直な感想を書いてみたいと思います。

映画「星守る犬」は村上たかしの同名コミックを映画化した作品で、『イキガミ』などを手がけた瀧本智行監督は人間描写と社会性を織り込んだ作風で評価が高いようです。 名もなき男と犬の旅路を通して、現代の問題に鋭く切り込みながらも、人とふれあい、温もりと勇気を得て生きていく人間のたくましさ、人と動物の間に育まれた家族愛を描いたストーリー。まずは簡単なあらすじから書いてみたいと思います。

■あらすじ
それは夏だった。とある山中にワゴン車が放置されている。その車の中から身元不明の中年男性と犬の遺体が発見された。男性の遺体は死後半年を経過していたが、犬の遺体は死後1ヶ月しか経っていないことが判明する。犬はなぜ、男のそばに寄り添って死んだのだろうか……。奥津京介は市役所の福祉課に勤めている。偶然出会った少女、有希と二人で、死んだ男と犬の足取りを追う旅を始める。旅を進めるにつれ、その男=お父さんが病気を患い、失業、離婚、一家離散。そして家までもい、唯一お父さんの傍にいた愛犬、ハッピーと一緒に車で旅に出たことが明らかになっていく。奥津と有希の旅は、東京から北海道へ。お父さんとハッピーは、時におかしく、時に哀しく、旅の途中で出会った人びとに、忘れられない思い出を残していた。やがて、旅の終着点で、奥津と有希が見たものとは。そして、「星守る犬」という言葉にこめられた願いとは…。

■率直な感想
中年男性が主人公と言うとかなり地味な印象ですが、その地味さが功を奏していました。全体的に心が温まる空気が流れていて、何と言うか「安心感」を与えてくれます。ストーリーは現実の問題を多く提示しており、それでいて切ない。結構苦めのテイストです。ラストに向かうにつれ、どうしてもラストを想像してしまう…。その想像どおりになるかどうかはここでは書きません。その展開に、ほとんどの人は見た後に胸を締め付けられることでしょう。
一方で少々わざとらしさも残ります。まああえて言えばですが。

キャストは西田敏行が圧巻の演技。気負わず無理せず、寂しさと温かさを演出する。それは彼にしか出来なかったでしょう。ハッピー役の犬も、どうやったら犬がこう言う演技ができるのかと不思議になるほどでした。一方で、川島海荷はちょっと浮いていたかなと言った印象。まだ若いので仕方がないのかもしれませんが、現時点では青春ものの方が似合うかな。

いろいろ書きましてが、見て損の無い映画です。心情、風景の微妙な描き方が邦画の未来をちょっとだけ明るく照らしてくれたかな。【でんすけ】