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映画 星を追う子ども 感想

映画「星を追う子ども」は2011年5月7日公開の映画です。監督は新海誠。声のキャストは金元寿子、入野自由、井上和彦、島本須美、日高里菜、竹内順子 、折笠富美子など。「雲の向こう、約束の場所」「秒速5センチメートル」などの作品が高い評価を受けている新海誠が手がけた作品。地下世界アガルタからやってきた少年と出会った少女が冒険の旅に出るというストーリーですが果たしてその評価やいかに?!今回は映画「星を追う子ども」について率直な感想を書いてみたいと思います。

本作は地上で暮らす少女と地下世界で暮らす少年の出会いと成長を描いたアニメーション作品です。 地下世界アガルタに足を踏み入れた少女、アスナと、亡くなった妻に逢いたいと願う教師、森崎が、未知の世界で様々な試練にあい、アガルタの少年、シンと心を通わせていくというストーリー。主題歌は熊木杏里(くまき あんり)。
普段の生活からは考えられないような設定や聞き慣れないキーワードに、イマイチよくわからない…と思う人もいると思いますが、作品中のテーマはいたってシンプルで、ストレートに伝わってくるのでわかりやすいと思います。また、作中で描かれる自然の美しさも見どころのひとつで、ストーリーはもちろん、絵の美しさにも注目するとより楽しめるのではないでしょうか。 まずは簡単なあらすじから書いてみたいと思います。

■あらすじ
山間で育った少女アスナは、母と2人で暮らしている。ある日、アスナは父の形見の鉱石ラジオから聴こえてきた不思議な唄を聴いて、その曲が忘れられなくなる。そんな時、彼女は“アガルタ”と呼ばれる地下世界から来た少年シュンに出会う。そして二人は心を通わせる。そしてシュンはこの世界を素晴らしいと思うのだが、突然、アスナの前から姿を消してしまう。アスナは「もう一度シュンに会いたい」と願うようになる。そんなとき、アスナの前にシンという少年が現れる。なんと彼はシュンに驚くほど似ていたのだ… そして、若い頃に亡くした妻との再会を切に願い、アガルタを探すアスナの学校の教師、森崎も2人の前に姿を見せる。そして3人の前にアガルタへの扉は開かれた。それぞれの想いを胸に、彼らは伝説の地へ旅に出る…。

■率直な感想
最初に乱暴な事を書くと、昔の冒険活劇的「ジブリ」が好きな人にはおすすめの映画です(ラピュタやナウシカなど)。音楽もストーリーも心をつかまれる指数高し。絵柄は全然違っていますが、水や空などと主人公の絡みは秀逸で、「ラピュタ」を見た時のドキドキ感が湧き出るのを感じました。生き物や世界観も独自の設定があり、そこらへんも「ナウシカ」のにおいがします。

これは勝手な解釈なのですが、深海監督はスタジオジブリの宮崎監督の最近の作品に無い物を描こうとしたのではないでしょうか。「悪い人は出てこなく、戦いや冒険にスポットを当てるわけでもない。声優は出来るだけ素での声の人を」と言った世界観。とでも言いましょうか。もののけ姫以降のジブリ作品は、ラピュタやナウシカにあったような退廃的な世界では無く、どこか悟りきってしまったような世界が主になっていました。声優もなるだけプロの人を使わない。それら「失っていた部分」を深海監督は描こうとしたのではないだろうか。そう、ゲド戦記のように…。とは考えすぎかもしれませんが、ゲド戦記のような失敗にはいたっていませんでした。

喪失感や好奇心などの心情変化も描かれていましたし、それらと自然世界のからみも良かった。声優さん達も安定感がありました(金本寿子はイカ娘に無い新しい境地が)。自分的にはとても新しい可能性を感じる作品でした。

ひとつおしいのは、宮崎ジブリのような説明なしの「まとまり」と「説得力」が足りなかった点かな。ちょっと行儀がよすぎると言いますか。まあ、そこまで求めるのは酷なのかもしれません。今回は対比中心になってしまいました。あしからず。【でんすけ】