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映画 軽蔑 感想
映画「軽蔑」は2011年6月4日公開の映画です。監督は廣木隆一。出演は高良健吾、鈴木杏、大森南朋、忍成修吾、村上淳、根岸季衣、田口トモロヲ などです。作家である中上健次の異色ラブストーリーを映画化したこの作品。愛し合うがゆえに引き裂かれてしまうという壮絶な純愛が描かれたストーリーですが、果たしてどんな評価になっているのでしょうか!?今回は映画「軽蔑」について率直な感想を書いてみたいと思います。
カズは遊び人で嫁さんとして真知子を遠い町に連れて来てもなお、昔の不良仲間や女性との関係が断ち切れない男。二人の恋を守りたい真知子は、女としての幸せより、闘うことを選ぶが…。世間から軽蔑されても仕方がない者たちのそれぞれの純愛が描かれた作品です。主演は、高良健吾と鈴木杏のW主演。高良健吾の艶っぽい演技にも注目したいところです。まずは簡単なあらすじからたどってみたいと思います。
■あらすじ
カズこと二宮一彦は新宿歌舞伎町でその日暮らしをしている。兄貴分の伊藤から、借りた金600万を帳消しにするかわりに、伊藤が属する組に断りなしで賭け事を行っているポールダンスバー「ニュー・ワールド」へ突撃しろと命じられる。そして仲間と共にバーを襲ったカズは驚くことになる。なぜならそこにはカズが恋焦がれていたダンサーの矢木真知子がいたからだ。
混乱の最中、カズは控え室から真知子を連れ出して、その勢いのまま駆け落ちしようと言う。真知子もまた、カズがいつも店の中で自分のことを見つめていたので気になっていた。そして二人が向かった先はカズの故郷。彼の実家は裕福だったが、両親とは疎遠になっていた。「俺、こっちで、このひとと暮らすことにしたわ」というカズに、母も父も、いつも身勝手な息子にあきれるばかり。だが父、一幸は、半ば事務的に所有しているマンションの一室を二人のために用意した。そして、カズは叔父である伸二の酒屋で地道に配達の仕事を始めた。
一方、真知子もカズの気のいい仲間たちに囲まれ、知らない田舎町での生活にとけこもうとしていた。そんなある日カズは、真知子との結婚を反対され、自分の父親に刃物を向けるという事件を起こしていまう。真知子のことを蔑む両親に怒りを覚え、どうすることもできず苛立ち行動を起こしてしまったのだ。カズの祖父の愛人で、今はカフェ「アルマン」を営む杉田千代子から、そのことを知らされた真知子は、ひとりで東京に戻り、またダンサーとしての生活を始める。そんな中、カズは真知子を追って東京にやってきた。そして真知子のいるクラブに現れた。「俺の嫁さんは真知子だけだよ」再び故郷に戻ったカズと真知子は、お互いだけを信じて結婚する。祝福され、今度こそ固く結ばれたふたりの絆。ところが、真知子が不在の時にカズは賭け事で借金を作り、その金額はは想像以上に膨らんでいた。やがて、小さい頃からカズのことを知る金貸しの男、山畑万里の魔の手が二人に近づいていく…。
■率直な感想
なんと言いますか複雑かつ壮絶な日本的展開です。多分海外では理解されづらいであろう閉鎖的かつ感情に支配された愛。そう言うのが好きな方は是非。以下、個人的感想です。
ダメ男の典型みたいなカズと内なる思いを秘めた真知子の愛が中心で、ベットシーンも多くそれがまた出口の無い愛を増長させて切なくなります。「これをやっちゃあいかんだろ」と予想したことをことごとくカズがやってくれるので、フラストレーションもたまりますが、まあそれは狙っての事なのでしょう。一方で「そんな男をなぜ愛するかの説明」をする目的としてベットシーンを多様するのはやや強引かも。もうすこし「愛し合う理由」に説得力が欲しかったです。さらに「世間との戦いに葛藤する二人」をもう少し丁寧に描いてくれれば良かったのかもしれません。一方で鈴木杏ちゃんの成長には少し驚きました。はかなさと強さ、そして切なさをすべて兼ね備えた演技は評価されるべき。今後に期待です。【でんすけ】