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映画 まほろ駅前多田便利軒 感想

映画「まほろ駅前多田便利軒」は2011年4月23日公開の映画です。監督は 大森立嗣。出演は、瑛太、松田龍平、片岡礼子、鈴木杏、本上まなみ、大森南朋、松尾スズキなどです。 直木賞を受賞し、ベストセラーとなった三浦しをんの小説を、瑛太、松田龍平共演で映画化したものですが、果たしてその評価やいかに?! 今回は、映画「まほろ駅前多田便利軒」について率直な感想を書いてみたいと思います。

「まほろ駅前多田便利軒」は直木賞に輝く三浦しをんのベストセラー小説を映画化した作品です。まほろ市を舞台にして、便利屋をやっているバツイチの多田と、なりゆきで一緒に仕事をする事になったバツイチ行天が、クセ者たちのワケあり問題を解決していくという人情ドラマを描いています。 同級生以上だが、親友とまでは言えないという関係の二人のかけ合いや、コンビプレー、ところどころ散りばめられているユーモアもみどころの一つだと言えます。まずは簡単なあらすじから書いてみたいと思います。

■あらすじ
“まほろ市”は東京から神奈川へ突き出るようにしてある、都会とも田舎とも呼べない街だ。そんな街の駅前でバツイチの多田啓介は便利屋“多田便利軒”をやっていた。多田は淡々と仕事をこなす真面目なしっかり者だ。

しかし、ある年の正月、お客から預かったチワワが逃げてしまった。やがてたどり着いたバス停でチワワを抱いた男を見つけた。それは中学時代の同級生、行天春彦だった。あの頃は無口だ静かな印象だったが、よく喋る風変わりな男になっていた。多田は行天と一緒にチワワを返しに行くことになったが、依頼人は夜逃げしていていなかった 。居場所を突きとめ探し出したはいいが、新しい飼い主を探すよう頼まれてしまう。さらに、ほとんど無理やり行天が多田の家に居候することになり、多田と行天、チワワの奇妙な共同生活が始まることになる。

3月になると自称コロンビア人娼婦ルルとルームメイトのハイシーがチワワを引き取ると申し出てくる。多田はそれを断るが、行天は条件付きでチワワの受け渡しを約束してしまう。行天の勝手に多田は腹が立ったが「犬は必要とする人に飼われるのが一番幸せだ。」という彼の言葉に心を動かされる。6月、小学生、由良の塾の送迎を依頼される。由良は当初、親の愛情を知らずにいて、生意気な態度を見せるが、だんだん2人になついていく。その傍ら、多田は由良が密かに覚せい剤の運搬に関わっていることを知り元締めの星と取引して由良を解放することに成功する。

そして、8月。行天の妻だった、三峯凪子が現れ、多田は彼の秘密を知ることになる。同じころ、行天はハイシーに付きまとっている山下というストーカーを撃退する。しかし、山下は星の手下だったのだ。星は多田の事務所を訪れ、問題児の山下と共に、深入りした行天を消すと警告する。そして10月。忘れられない過去と向き合 わざるをえなくなった2人は、ついに最後の季節を迎える…。

■率直な感想
全編ゆるい空気で繰り広げられ、ひとつひとつ問題解決していく様は退屈と言えなくはありません。エンターテイメント性もそんなにありません。しかし、見た後に満足してしまったのは設定が良かったからでしょう。

原作も良かったから、ストーリーの勝利とも言えるかな。日常の中にある葛藤や問題意識がちりばめられており、それが自然で良かった。なし崩し的に運命に左右される主人公、「多田」は誰もが「選択することに疲れた」多くの人にとって理想的な主人公に映っている感じもありました。

瑛太も松田龍平もすごく心が入った演技で良かった。椅子に座って流れにまかせてだらっと見るといい映画です。逆に物語が横にやや散らばりすぎていたのが難点かな。もう少しメインである縦軸にテンポ良いつながりがほしかった。まあ、派手さは無いが、良作です。【でんすけ】