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映画 マイ・バック・ページ 感想

映画「マイ・バック・ページ」は2011年5月28日公開の映画です。監督は山下敦弘 。出演は妻夫木聡、松山ケンイチ、忽那汐里、石橋杏奈、中村蒼、長塚圭史、三浦友和さんなどです。 川本三郎の原作ノンフィクションを映画化したこの作品。「現実」と「理想」の狭間で葛藤する若者達の想いが描かれており、感動のドラマになっていますが、果たしてその評価やいかに!?今回は映画「マイ・バック・ページ」について率直な感想を書いてみたいと思います。

本作は川本三郎がジャーナリスト時代に経験した日々を綴った衝撃のノンフィクションを映画化した作品です。監督は「天然コケッコー」などを手がけた山下敦弘監督。若きジャーナリストと活動家の運命的な出会い。そして生み出される奇妙な絆。ストーリーを聞いただけでも面白そうですね。

沢田雅巳役には「悪人」で世界でも有名になった妻夫木聡、梅山役に「GANTZ」の松山ケンイチ。話題の二人の共演にも注目したいところです。では、まずは簡単なあらすじから書いてみたいと思います。

■あらすじ
現代の日本にはなくなってしまったが1960年当時、社会の熱い熱が渦巻いていた。沢田雅巳は週刊誌記者だ。新聞社で理想に燃えながら働いている。そして常に変化し続ける“今”と葛藤しながら、日々活動家たちを追いかけていた。それから2年、取材を続ける沢田は、先輩記者・中平武弘とともに梅山と名乗る男からの接触することになる。 「銃を奪取し武器を揃えて、我々は4月に行動を起こす」 沢田は、その梅山と名乗る男に疑念を抱いていたが、不思議と親近感を覚え魅かれていった。やがて沢田のもとに届いたのは、思わぬニュースだった…。

■率直な感想
ストーリとしては徐々に加速していくタイプです。物語の時代背景を描く前半は淡々としていてちょっと退屈かも。後半から一気につかみにかかるので、前半で物語に入り込めるかがカギです。セットや全体の色見はかなりいい感じ。その時代に生きていないのでわからないですが、熱があったあの時代を蘇らせることに成功しているのでは。シリアスな展開ではありますが、それだけではなく、適度に見てる人の力を抜いてくれる所もあり。ラストシーンはすべてを収集してるとまでは言いませんが、物語を締めるのに良い展開でした。ちょっとこの時代にあこがれてしまった自分が恥ずかしかった(爆)

一方で時代背景に対する説明はそこまでなされていないので、自分の知識 or 予想で補う必要があります。そこでわけがわからなくなってしまうと、最後までついていけないかも。あまり「つじつま」を考えず見た方が楽しめるでしょう。

主演の二人は好印象。この二人が逆の役だったらおそらく駄作だったでしょう(笑)。それだけマッチした配役だったと言えます。「悪人」でこれ以上ないくらい不幸な役を演じた妻夫木聡はここでも違う色を見せてくれました。濃いめの顔は松ケンとは対照的で良かった。一方で松ケンはこう言う不気味な役が似合いますね。個人的に一番魅力的だったのは松山ケンイチの「声」。こもり気味でちょっと頼りないけれど芯のある声。こんな声の持ち主はなかなかいないですから。今回のような映画ではなおさらそれが生きていると言えます。大名作ではありませんが名作の匂いあり。【でんすけ】