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映画 臨場 感想
ミステリー作家、横山秀夫の人気シリーズを原作とした「臨場」は、2009年、2010年にテレビドラマ化し、高視聴率をたたき出した話題作です。 主役の倉石義男は少しクセのあり個性の強い性格の敏腕検視官で、視聴者にかなり印象を残し、警察ドラマの主役といえば刑事!というイメージを覆された人も多いのではないでしょうか。今回は2012年6月30日公開の映画「臨場」についてです。
「臨場」は元々緊張感が溢れるシーンが盛りだくさんで、リアルな検視シーンはもちろん、被害者加害者の心の闇や、人間の汚い部分、理性など重厚な人間ドラマがあり、視聴者をテレビの画面に釘付けにした作品。そんな「臨場」が続編希望の多数の声を受けて待望の映画化とあって楽しみにしていた人も多いのでは。 「探偵はBARにいる」の橋本一さんを監督とし、主演はもちろん内野聖陽。松下由樹、渡辺大、平山浩行、高嶋政伸といったレギュラー陣や段田安則を始めとする豪華な演技派俳優がゲストにずらりと集結しています。TVシリーズの人気もあって、かなり期待されている「臨場 劇場版」。まずはあらすじを見てみましょう。
■あらすじ
都内で発生した無差別通り魔事件の実行犯は、なんと心神喪失が認められ、刑法第39条により無罪となる。その判決は被害者遺族たちの願いを虚しくも踏みにじるようなものだった。 その二年後、加害者を無罪へ導いた張本人である弁護士と、加害者の精神鑑定を行った医師が相次いで殺害されてしまう。警視庁と神奈川県警の合同捜査本部はまず疑いの目を、弁護士と医師の2人を殺害する動機があるであろう事件の被害者遺族たちに向ける。 だが弁護士と医師の死亡推定時刻に疑問を抱いた検視官の倉石は、犯人は別にいるのではと考える。 果たして倉石が迫った先にある事件の真相は…。
■率直な感想
どうしたって男くさくなってしまう映画ですが、好きな人は好きな世界観。登場人物たちの関係性がいまいちつかめなかったのが残念ですが、ドラマを見てない人にもなんとか楽しめる内容でしょう。シリアスな場面も多く、「刑法」について考えさせられることもあり、ただの映画を見ただけの後味ではありません。その点では「ただヒットドラマを映画にしました」と言った作品とは一線を画す内容で、個人的にはかなりいける映画でした。
残酷な描写が多いので、子供連れの方には少し注意が必要でしょう。一方で「テレビ」と言う規制の枠からはみ出したのは作品としては幸運だったのでは。よりスリリングでリアルな描写が楽しめるのはファンからしても嬉しいでしょう。大ヒットでは無いかもしれませんが、久々に骨太の良い作品を見た気がします。ストーリー的につじつまの合わない部分もありましたが、俳優陣の演技が素晴らしかったので、最終的にはうまく持って行かれた感じがします。【でんすけ】