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映画 水曜日のエミリア 感想
映画「水曜日のエミリア」は2011年7月2日公開の映画です。監督はドン・ルース。出演は、ナタリー・ポートマン、スコット・コーエン、チャーリー・ターハーン、ローレン・アンブローズ、リサ・クドローなどです。ゴールデングローブ賞、アカデミー主演女優賞に輝いた「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンが主演のこの作品ですが、一体どんな作品なのでしょうか。 今回は映画「水曜日のエミリア」について率直な感想を書いてみたいと思います。
本作は、愛する男性と結婚するが、夫の連れ子はなかなか打ち解けてくれない、前妻は女医で口うるさいなど、人間関係に悩む新人女性弁護士の姿を通して、愛と幸福について問いかける人間ドラマを描いた作品になっています。主演、製作総指揮は、ゴールデングローブ賞、アカデミー主演女優賞に輝いたナタリー・ポートマン。『ブラック・スワン』では鬼気迫る演技を観せてくれたが、この作品では、不倫相手と略奪婚をするも様々な苦難にさいなまれ、それでも新たな道を歩き始める女性を演じています。製作総指揮も務めているということで、ヒロインを等身大で演じた彼女の魅力にも注目したいですね。 まずは簡単なあらすじから書いてみたいと思います。
■あらすじ
エミリアは新人弁護士。彼女は毎週水曜日が来るのが少し憂鬱だった。その理由は、夫ジャックの息子で8歳になるウィリアム。ウィリアムはジャックと前妻キャロリンの子どもで、別れた両親の家を行き来しており、毎週水曜日になるとエミリアたちの所へ泊まりに来るのだ。学校まで彼を迎えに行くのがエミリアの役目なのだが、ウィリアムは、エミリアが両親の離婚の原因だとわかっていたので決して打ち解けようとしなかった。さらにキャロリンは、小児科のエリート医師であるために、育児のことをあれこれ事細かに指示してくる。エミリアはそれにもプレッシャーを感じていた。そして、ジャックが帰宅すれば、ウィリアムの告げ口が始まる。彼女の行動に対する告げ口だ。
ジャックは、エミリアが新人弁護士として勤め始めた事務所の上司だった。妻子あるジャックと恋に落ちたエミリアはやがて妊娠。ジャックの離婚成立を待って再婚したものの、“イザベル”と名付けた赤ん坊は生後3日で突然、亡くなってしまった。それ以後、エミリアの人生は、トラブル続きだった。彼女を悩ませる問題は、ウィリアムやキャロリンに関することばかりではなかった。離婚した両親が復縁すると知って、エミリアは長年浮気を続けた父にも、そんな父を許す母にも、怒りをぶつけてしまう。あれほど愛し合っていたはずのジャックとも心は離れていくばかり。幸せな未来を見失ったエミリアは、イザベルの死にまつわる“ある秘密”をジャックに告白してしまう。傷ついた心を抱え、一人家を出るエミリア。エミリアは独りで生きていくことを決意したのだった。そこへある日、1本の電話が入る。それは全く予期しない思いもよらない意外な人物からの呼び出しだった……。
■率直な感想
夫婦や家庭環境をリアルに描いた作品。そこに描かれたのは楽しいばかりでは無く希望だけでは解決出来ない問題ばかり。ナタリー・ポートマンは繊細なエミリアの役を良く演じています。自分の葛藤でいっぱいいっぱいになった心、そしてまわりとの関係性。理屈では解決出来ない憂鬱をきちんと表現していました。連れ子のウィリアムの子役も大人が感情移入出来るほどに見事な演技。
作品のテーマはやや重く難しい内容。エンターテイメント性よりもメッセージ性を大事にしています。日本の単館映画の裾野をやや広げた感じ。まずあらすじを見て、興味を持った人が見るべきだと思います。リアルな内容からは学ぶべき事も多いかもしれません。単純には見れないのが欠点と言えば欠点かな。【井出】