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映画 夜明けの街で 感想
映画「夜明けの街で」は2011年10月8日公開の映画です。監督は若松節朗。出演は、岸谷五朗、深田恭子、木村多江 、石黒賢、黄川田将也、田中健 、萬田久子、中村雅俊 などです。東野圭吾の同名ベストセラーを映画化した作品ですが、一体どのように評価されているのでしょうか。今回は映画「夜明けの街で」について率直な感想を書いてみたいと思います。
今作はご存知、人気作家の東野圭吾が、初めて“恋愛”というものに真正面から取り組んだ作品と言うことで話題になりました。
そのベストセラーとなった同名小説を岸谷五朗と深田恭子という豪華出演者、そして『沈まぬ太陽』などを手がけた若松節朗監督によって映画化された恋愛ミステリーとなっています。幸せな家庭を持つ大手企業の会社員が、偶然知り合った若い女性と不倫関係に落ちてゆくが、彼女には殺人事件にまつわる秘密があった…というストーリー。それぞれが全く新しい役柄に挑戦しているとのことで、深田恭子が謎めいた大人の女を演じているところにも注目です。
狂おしい情熱と、迫りくる不安の中で、男はどこまで女を愛せるのか?そして女は男を本当に愛しているのか?それとも利用しているだけなのか?驚くべき結末に誰しも予想を裏切られるこのこと。まず始めに簡単なあらすじを書いてみたいと思います。
■あらすじ
大手建設会社のエリート社員、渡部和也は、美しく従順な妻の有美子と一人娘に囲まれて、何不自由ない幸せな生活を送っていた。40歳を過ぎ、親友の新谷の“俺たちはすでに男ではない”という言葉にも何となく納得していたある日、バッティングセンターで派遣社員の仲西秋葉とばったり遭遇。新谷と3人でカラオケに行くが、泥酔した秋葉が渡部の背中に嘔吐。後日、謝罪されたものの、渡部は対応の悪さにキレる。だがその一方で、涙を浮かべて自分の不器用さを詫びる秋葉に惹かれたのも事実だった。二人はまた会う約束をし、秋葉の叔母である浜崎妙子が経営するバーへ向かう。そこで見せた秋葉の淋しげな微笑みが気になった渡部は、彼女を横浜の実家まで送る。そこで秋葉の父、中西達彦と遭遇し、親子の間に冷ややかなものを感じるのだった。招かれるまま屋敷に上がり込む渡部に、秋葉はこの屋敷で殺人事件があったことを仄めかす。そして一線を越える2人。渡部は“不倫をする奴なんて、馬鹿だ”と考えていたが、秋葉との関係は一回で終わることはなかった。
何一つ疑う様子のない妻に対して罪悪感を覚えつつも、毎日、嘘を重ねてゆく。
そんなある日、秋葉は15年前に屋敷で起きた殺人事件について打ち明ける。殺されたのは、達彦の秘書兼愛人の麗子という女性。第一発見者は秋葉だった。犯人は未だ捕まらず、間もなく時効を迎えるという。辛い過去を知った渡部は、今まで以上に秋葉を守ってやりたいと強く思うようになる。新谷の忠告も聞かず、秋葉との関係は続く。2人の将来を真剣に考えるようになった渡部に、秋葉は“3月31日まで待って”と告げる。その意味を測りかねる渡部だったが、静かにその日は訪れた。一緒にいてほしいと頼まれ、屋敷を訪れるが、そこに達彦と妙子が現れる。そして明かされる衝撃の真実。秋葉が15年間抱え込んできた秘密とは一体……?
ふう、またハードなのが来ましたよ、東野さん。では感想に触れてみたいと思います。
■率直な感想
なんと言うか、不倫とミステリー部分のバランスが微妙でした。この映画には終始その部分が付きまとっていたため、「白夜行」のような「背徳と愛」の域にはいたって無いかなと。
岸谷五郎のおっちゃんぶりには何となく共感は持てないことはないのですが、深田恭子との絡みも(役がら的絡み、エロ要素含め)そこまで「不倫」と言う物をフィーチャーするほどの魅力が描かれていなかったので、多くの人が共感するには至らないのではないかと。
原作はそこらへんのバランスに長けていて、続きを読ませる力がありましたので、ちょっと残念です。ストーリーは結構一致しているので、たぶん最初に書いた「バランス」キモ何だろうな。
テンポは悪くなかったのと、背景が奇麗だったのは好印象でした。最後に行くにしたがって怖いもの見たさでドキドキしてくるのも悪くない感覚。だからこそ、作品全体のバランス取れていればなお良かったと、悔やまれてなりません。【でんすけ】