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BLEACH(ブリーチ) 感想
『BLEACH(ブリーチ)』は、2001年から週刊少年ジャンプにて連載が開始されたコミックです。作者は久保帯人。アニメ化は勿論のこと、劇場版での上映もされるほどの人気作品。その他ゲームの発売、パラレル要素の単行本化、更にはミュージカルでの実演など、多岐に渡って市場を広げる驚異的人気で、魅力的キャラも多数登場します。今回はそんな「BLEACH(ブリーチ)」について、ぶっちゃけ感想を書いてみました。
(キャラレビューはこちら)
●ぶっちゃけ感想
『BLEACH(ブリーチ)』は、2001年から週刊少年ジャンプにて連載が開始されたコミックです。作者は久保帯人。アニメ、劇場版、ゲームといくつものメディアに展開される驚異的人気作品で、魅力的キャラも多数登場します。一方で作者の久保帯人氏はその「独特のかっこつけた言動」から、ネット上を中心に「オサレ師匠」と呼ばれ別な意味で注目されています(爆)。今回はそんなブリーチについて、率直な感想を書いてみたいと思います。
この作品の魅力の一つには、臨場感溢れる戦闘シーンが挙げられます。戦うのは主に「死神」と、その敵である「ホロウ」と呼ばれる化け物です。人間が化け物と戦う話は出尽くした部分もあるような気がしますが、『BLEACH』における正義の多くは「死神」という存在です。
死神が出てくる作品と言うと、例えば『DEATH NOTE』の「リューク」などが思い浮かぶでしょうか。反正義的な言動や醜い様態からも見えてくるように、死神とは人間達に死や不幸をもたらす「悪いモノ」です。彼らが人間の味方であるはずがない。そう考えるのが一般的でしょう。しかしそんな固定観念を見事に崩壊させたのが久保帯人ワールドです。
死神は悪であるという概念を取り払った『BLEACH』は、まさに発想の転換と言えます。化け物達と日夜戦う死神を描いた作品は多くの読者に衝撃を与え、真新しいワクワク感は瞬く間に広がりを見せました。死神VS.化け物という構図を持ったストーリーなだけに、『BLEACH』の世界観は非常に特殊です。ホロウなどという化け物を冥府に送り届けるため、死神が人間界を見廻りに来ているなんて誰が思いつくでしょうか。
この作品の主人公である一護。彼が住んでいる町を管轄していた、死神ルキア。二人の出会いから始まった物語は、出だし早々読み手の興味を惹きつけてくれます。
死神代行としてホロウ退治に繰り出すことになる一護でしたが、ルキアに処刑危機が訪れたり、次から次へと強敵が現れたり、終いには死神の能力を失ってしまったりと、その生活は波乱だらけです。
あれこれ悩みながらも成長する主人公と共に、続々と登場してくる人・物・事。そのどれもが、一般人の想像力を大きく超えています。
長く続いている作品であるにも関わらず、飽きが来るどころかどんどん先が気になってしまうのも当然のことでしょう(後半に展開がやや中だるみしますが、それは後に書きます)。
「ホロウ」や「死神」が出てきたかと思えば、「ソウル・ソサエティ」や「瀞霊廷」などという冥界文化まで登場し。その発想が一体どこから生まれるのかは、常人の頭では追いつけない難問かと思われます。多数のキャラ、設定、絵をすべて制御するのは非常に難しいこと。作者の頭の中も混乱が予想されますが、いったいどうなっているのでしょう。
『BLEACH』の世界では死者の魂はソウル・ソサエティに集い、その中の瀞霊廷という場所に死神達が住んでいます。 魂が集まるからソウル・ソサエティ。素人の発想力でも、この位までならどうにか頑張って捻り出せそうなものです。しかし瀞霊廷と言われてしまうと…どうでしょうか。私にはムリそうです…。そもそも普通の人は死神の生活様式なんか考えません。死神にも序列があって、更には部隊まで組んでいるなんて思いつきません。読んでいる側からしてみればどこまでもビックリです。
ただでさえ新たな死神の感覚に驚いているのに、新章に入るとまたもやワケアリな人達が増えてきます。それが「フルブリング」という能力の使い手。霊圧を失った一護が、その集団と手を組むかどうかで葛藤する場面は印象的でした。 死神である自分がどこまで強くなれるかではなく、一人の人間としてどうやって大切な人達を守っていくのか。仲間のために死神としての誇りを取り戻した瞬間の主人公は、この物語の真核を表していたように思います。『BLEACH』では人間も死神もキャラはそれぞれ立っていて、ギャグだろうとシリアスだろうとおかまいなしです。一人一人の感情を細かく描いてくれるので、悲しくもなり楽しくもなり、多くの場面で感情の起伏を味わうことができます。 生と死を扱うテーマですが、暗い話に徹してしまうという事もないのは安心できる所ですね。しんみりしていても最終的には暖かくまとめられ、基本的には明るい描写が多いので楽しく読み進められるのではないでしょうか。
と、ここまでは良い部分を中心に書いてきました。BLEACHにはいくつか難もあります。登場人物はやたらめったら多いうえ、キャラ名の漢字表記が難解な場合が多々あり、初見での混乱は必須、振り仮名を振っていてくれなかったら名前の読み方不明な死神は続出だったことでしょう。さらに藍染を倒してからの展開はやや中だるみ感がありました。魅力的な敵キャラはあまり登場せず、月島の奇妙すぎる能力が印象的な程度。ちなみにこの月島さんはネットでも話題になり、「月島さんがいれば大丈夫」としばしばネタにされています。
このころ、ジャンプでの掲載順もみるみる落ちて行き、一時は連載ストップと噂されたほどで、おそらく作者も危機を覚えたのでしょう。テコ入れとして護廷十三隊の人気キャラを登場させたうえ、展開を早めた模様(予想ですが)。思ったより早めに物語を収拾し、次の展開に移しました。さすがに長期連載なので仕方ないかとは思いますが…。
物語はその後さらに混迷を極め、「一護の母親はクインシーだった」などのとんでも追加設定が飛び出します。ネタがないのか!?先生!?
とは言え「覚えられないほどの大多数のキャラが活躍し、作者も話題になるほどの漫画」はそうありません。その画力の高さもあり、「ジャンプ孤高の作品の匂い」がするのは事実。記憶に残る漫画なのは間違いないでしょう。余談ですが、個人的にフルブリング編は後から人気が出る可能性があると思っています。銀城、リルカなど、敵キャラがどれも悲哀たっぷりで泣かせる感じだったのが個人的にはツボでしたから。【わこ】