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サソリ キャラレビュー

『NARUTO -ナルト-』は岸本斉史の漫画作品で、1999年から少年ジャンプにて長期連載されている人気漫画です。その人気ぶりは日本だけにとどまらず、世界でも広く認知されるなどで、ワンピースと並びジャンプの2枚看板とも呼ばれています。そんな「ナルト」には魅力あるキャラが沢山出てきます。ハッキリ言って主人公のナルト以外のキャラ人気の方が高そうな気がしますが…。今回はその愛すべきキャラクター達のキャラレビューを勝手にしちゃいましょう。
※作品の感想はこちら

  • サソリ
  • 暁のメンバーで砂隠れの抜け忍。通称「赤砂のサソリ」 傀儡人形の天才造形師。 砂隠れの里の相談役チヨバアは実の祖母。
  • 声優 : 櫻井孝宏
  • 名言「人形になりきれなかった人間・・・か。」

●キャラレビュー

かつては傀儡人形の天才造形師と言われ、カンクロウが使用する「烏」「黒蟻」「山椒魚」を作った張本人だったサソリ。初登場時はヒルコという傀儡の中にいたため、気持ち悪い姿の印象でしたが、本当の姿はヒルコの姿とは正反対の可愛らしい姿の少年で、いかにも女性受けしそうでした。アニメでもサソリの担当をされている櫻井孝宏さんは、とても女性人気の高い声優さんで、最近では「モノノ怪」の薬売りが代表的だと思います。この櫻井さんの声も、サソリの女性人気が高い理由のひとつでしょう。

年齢が35歳であるのにもかかわらず、見た目が異常に若いのはサソリ本人も自身で人傀儡に改造しているからで、可愛らしい姿の中に隠されたカラクリは結構なグロテスクさがあります。人形の類が苦手な人には、サソリ編はきついかもしれません・・・。天才的な機械やカラクリの技師が、その行き過ぎた思想によって自分自身も改造してしまう、というのは漫画ではちょくちょく見かける内容で、そのほとんどに裏に悲しい過去や現実があったりします。サソリも例外ではなく、暁ではイタチと並ぶほどの悲しみを背負った忍だと思います。度々亡くした両親の愛情や温もりを欲していることがわかる表現があり、両親を模った傀儡に抱かれるようにして命を落とした最期のシーンには、胸が締め付けられた読者も多かったと思います。これによって女性読者の母性本能がうんぬん、という言葉も出ないくらいです。

実の祖母であるチヨバアへの攻撃を最終的にためらったのも、どれだけ改造されていようがサソリが人間であることの表れで、自分自身を「傀儡になりきれなかった人間」と自嘲しています。 NARUTOでは、初期の再不斬を筆頭に忍も人間、感情を捨てることなどできない、などの忍ならではの悲しさを表現するキャラクターがよく出てきます。サソリも忍の悲しさや陰をよく表したキャラクターでしたが、死の直前はチヨバアに、穢土転生後はカンクロウによってその悲しさから開放されたのかな、と少し感じ取れることが救いです。【ことひめ】