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黄昏乙女×アムネジア 感想
『黄昏乙女×アムネジア』は独特の世界観とおどろくべき展開でディープなファン層を獲得している漫画&アニメ作品。読み切りから一気に飛躍した珍しい作品でもあります。今回は、そんな黄昏乙女×アムネジアの漫画&アニメの感想を書いてみたいと思います。
■ぶったぎり感想
・あらすじ
私立誠教学園は60年という長い歴史の間に増改築を繰り返し、校舎は迷路のようになってしまっていました。そんな中で様々な怪談が生徒の間でささやかれていました…。主人公新谷貞一はある日「旧校舎の幽霊」夕子と出会います。貞一は夕子に自分の死の真相を解明してほしいと頼まれ、地下に隠されていた白骨化した夕子の死体を発見します。けれどそれ以上謎は解明されず、結局貞一は夕子の死因を探るため、怪異調査部を設立しますが…。
っと、ざっとあらすじを書いてみました。黄昏乙女×アムネジアの始まりは実は一本の読みきりでした。夕子の過去は?なぜ夕子は幽霊になってしまったのか?と、いくつもの謎を残したままの物語でしたが読者の心はしっかりとつかんでいました。黄昏乙女×アムネジアはその読み切りを第一話としてすぐに雑誌での連載が始まり、気が付けば表紙を飾る人気作品となっていました。漫画界では異例と言っていいほどの展開ですね。
個人的には、そんな力ある作品だからこそ、今回のようにアニメオリジナルの構成でスタートする必要はなかったと思っています。特に連載が始まるきっかけとなった第一話なのですからそのまま世界観をぶつけてほしかったです。
第一話は二つのサイドで物語が展開されます。「旧校舎の幽霊」夕子が見えない小此木の視点から始まり、後半では夕子が何をしていたのかがわかる、という構成です。幽霊でありながらかわいさといじらしさのある夕子がうまく描かれています。ただ、原作にあるようなホラーらしいおぞましい部分と日常から生まれるギャグのギャップを楽しむことはできませんでした。幽霊退治をするシーンもギャグ寄りになりすぎていてホラーの印象が全くありません。現象の原因がわかっていてもぞくっとさせてくれる原作に比べ、アニメのほうは全体的に画面が明るく茶番劇を見せられているようにしか思えませんでした。けれど思えばそれも一つの表現なので、今後はどんな原作とは違う魅力を見せてくれていると言えばそうなのですが。アニメと原作のファン層がばっさり分かれそうな作品ですね。一ファンとして、今後のメディア展開にはひそかに期待したいと思います。【あんず】