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劇場版 機動戦士ガンダム00(ダブルオー) 感想

前ページではあらすじを書いてみました。なんだかいつものガンダムとは大分毛色が違う敵が出てきましたね。TVアニメの映画版は総集編的なものも多い中、かなりの実験と言えるでしょう。さっそく感想をば…。

■率直な感想
劇場版 機動戦士ガンダム00を実際に映画館で見てみて、まず感じたのが「今までのガンダム00とは違う!」と言うことでした。なんと言っても相手が強力すぎます。 その相手とは、人間でもイノベイターでも無く、異星人(宇宙人)!!ガンダムシリーズは数多く見ていますが、言葉も持たない異性人と戦うのは初めてでは無いでしょうか。 これには製作陣のこだわりが色濃く出ているためと思います。言ってみれば「今までのガンダムをぶっこわす」ことが目的の1つにあったことは明確でしょう。その果敢な挑戦は成功だったのか?それとも失敗だったのか!?
…これは正直、賛否両論あると思います。個人的には1つのアニメーション映画としては成功だと思います。しかし、テレビアニメ版をこよなく愛していた人には正直微妙な部分も。なにしろガンダム00のセカンドシーズンの終わり方はとても秀逸でしたから。アニメ版のラストは、様々な伏線を消化し、愛すべきキャラクター達にも大いなる未来が用意されるなど、多くの人を納得させるものでした。今回はそれをぶち壊す部分も少なからずあります。

まず、とある人気キャラクターが死にます(爆)。ガンダムに死はつきものとは言え、彼の死はストーリー上必要なものだったのだろうかと、疑問を持ってしまいました。そして一番の見所である異星人との対決ですが、見た人は「俺達はいったい何と戦っているのだろうか!?」と言う気持ちになることは間違いありません。感情移入すればするほどわきあがる敵の異形さ。最後まで得体の知れない相手との戦いは今までのガンダムでは味わった事の無いものです。なんてったって対モビルスーツではありませんから(爆)

それでもバトルシーンが迫力あるものになっているのはさすがです。ソレスタルビーイング、地球連邦、そして異星人(!!)が入り乱れる戦闘シーンは目が離せません。新キャラクターも魅力あるキャラクターばかりです。個人的に一番好きだったのはデカルト・シャーマン。彼の圧倒的強さ、モビルアーマーのカッコよさ、そして秘めたる悲しさはストーリーに強力なアクセントを与えています。そこそこ活躍はしますが、もっともっと活躍してほしかったのが正直なところですが。

物語のラストについては、詳しくここで書くのは避けますが、強く言っておきたいのは「絶対にエンディング曲中に席を立たないで下さい!!」と言うことです。UVERworldが歌う主題歌「クオリア」の後にストーリーを消化する大エンディングが待っています。 ここで感じたのは、時間の経ち方がすさまじいこと。なにしろマリナ・イスマイールがおばあちゃんになるほどの未来です(爆)ここら辺は見てからのおたのしみと言うことで。

っと、ここまで劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-の感想を書いて来ましたが、総じると「アニメシリーズのイメージは少なからずぶっこわれますが、ファンとしては見ずにはいられない作品」でしょう。異星人との戦いに違和感を感じなければ楽しめる作品だと思います。自分は最初は違和感がありましたが、DVDやブルーレイで見返した時には意外に何度でも楽しめる作品かもなと思いました。これが本当に最後なんだろうなあ。出来ることならまた刹那達に会いたいなあ。 それにしても製作陣の方々、よく冒険されました!!

最後に主題歌について触れてみましょう。

場版 機動戦士ガンダム00の主題歌は2曲あります。オープニングに流れる曲が、THE BACK HORNの「閉ざされた世界」、エンディングに流れる曲が、UVERworldの「クリオア」です。2曲ともガンダム00の世界を良く表していると思います。それもそのはず、2組ともアニメシリーズでも主題歌、エンディングになっていましたから。挿入歌は石川智晶さんの「もう何も怖くない、怖くはない」で、こちらもガンダムアニメでおなじみのアーティストですね。

THE BACK HORNの「閉ざされた世界」は、ギターの音色がとても印象的。クリーンと歪みの間の様なその音色は物語の序盤の「謎めいた部分」を良く表現しています。ヴォーカルの山田 将司さんの声はハスキーで聴き心地が良く、アニメのファーストシーズンを思い出してしまいますね。曲の音数は多いわけでは無く、むしろシンプルに整理された感じがします。それがとてもガンダム00には合っているかと。彼らはミュージシャンに愛されるタイプのバンドですが、ガンダムとの出会いによって、アニメファンにも愛されそうですね。アニメソングドストライク街道をひた走るTMレボリューションとは違った愛され方をしそうです。

一方のUVERworldの主題歌「クリオア」ですが、こちらもガンダム00にベストマッチしていると思います。こちらもアニメ版でもおなじみのバンド。先ほど述べたTMレボリューション的ポジションにはこちらが近いかな。 特徴はなんと言ってもその複雑メロディー、そして複雑な歌い回し。ヴォーカルのTAKUYA∞さんは一見してストレートなシンガーの様に見えますが、その歌い方たるや変化球や変化球。
連続的な音の切り方、スピードを変えるビブラートのかけ方など、今回はいつもにもまして個性のある節回しです。それがカオスなガンダム00との世界感にマッチしていると言えるでしょう。欲を言えばもうすこしわかりやすいと良かったかな。思い出して歌うにはムズカしすぎます(爆)。反面、カラオケで歌いこなせたらとても尊敬されそう。

そして、挿入歌は石川智晶さんの「もう何も怖くない、怖くはない」です。彼女の声を聴くとガンダムSEEDを思い出してしまいます(笑)。切ないシーンでかかるのですが、彼女の声はまさにガンダム曲の鏡。ゼータガンダムの森口博子さんを思い出すようなクールな曲です。声は熟練されていて、かつなめらか。言い方は悪いですが良い意味で「年齢不詳」な感じ。声の似たシンガーはあまりいませんね。これからも様々なガンダムの曲で登場してくれそうです。

3曲とも、これから映画とともに愛される曲になっていくのだろうな。ガンダム好きにはうらやましいかぎりです。【でんすけ】