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コムギ　キャラレビュー

HUNTER × HUNTERは『週刊少年ジャンプ』（集英社）誌上において連載されている人気漫画。1998年（平成10年）14号から、いくつもの休載をへて長期連載されています。作者は幽遊白書、レベルEなどで知られる富樫義博。2度にわたるアニメ化、OVA化もしており、根強いファンを獲得しています。今回はそんなHUNTER × HUNTERについて、超個人的レビューを書きたいと思います。
※作品の感想はこちら

  • コムギ
  • 名言「わダすが……こんなに…幸せでいいのでしょうか？」
  • 東ゴルトー共和国の客員棋士。軍儀の世界王者。
  • 盲目で東北弁を喋る不思議な少女。

●キャラレビュー

ハンターハンターの中では一般人に分類されますが、キメラ＝アント編のキーパーソンになった人物です。念能力そのものは開花されておりませんが、王と軍儀（将棋のようなもの）を何度もう打つ中で、自分の軍儀の強さにさらに磨きをかけていきます。これは一流の職人が知らずのうちに念を込めることができるというのが、 ヨークシンシティ編でありましたので、その一種なのでしょう。もしかしたら、念に目覚めたコムギは操作系の強力な使い手になったかもしれません。暇つぶしだった王の娯楽がいつしか、物語を動かす重要な伏線になるとは誰も思ってなかったのではないでしょうか。
暴虐限りを尽くしていた王が助けたコムギは最初、檻に飼われた小さなひな鳥みたいな扱いでした。 簡単につぶすことも王にはできましたが、なぜかそれができないことに王は苛立ちを隠せません。産まれて間もない王が自我を形成するのにコムギは大変重要な役目を果たします。 それが軍儀と名前です。コムギは王に名前を尋ねます。しかし、王は自分の名前を知りませんでした。そして、これが後々の重要な伏線で､最後の感動的な展開にまで続くことになります。 ここまでくるのに休載はありましたが、大まかな流れは作者が全て考えていたということになります。軍儀のルールは作中では語られていません。しかし、その描写はまるでプロ同士が戦っているようです。王とコムギのやりとりで、同じジャンプアニメのヒカルの碁を思い出した人も多いんじゃないでしょうか。毒にやられて、一度もコムギに勝てないまま王は静かに息を引き取ります。ヒカルの碁の少年編のラストでも、すでに消えていた佐為に、ヒカルが大事な扇子を受け取るシーンが描かれます。どこか似た雰囲気ですね。
盲目なためコムギは王やキメラ＝アントを怖がることはありませんでした。 しかし、盲目のため、ずっと苦労してきたコムギ。最後に王に会えたことでコムギは幸せだったのでしょうね。やがて、王は死んでしまいました。コムギのその時の気持ちが痛いほど響いてきます。たとえ言葉を交わすことはなくても、軍儀の中で二人はまるで恋人同士のように愛をささやいていたのでしょう。 盤上の愛、それは王とコムギの二人だけの空間。それゆえにラストはとても切なくて､感動的な話になったのです。まっ黒の駒にセリフだけを残しながら。【さがら】