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黒子のバスケ 赤司征十郎

黒子のバスケは少年ジャンプで連載されている人気スポーツマンガです(作者、藤巻忠俊)。主人公「黒子」は影の薄い脇役タイプと言うこれまでに無かった切り口で、ライバルキャラと共に多くの人気キャラが登場します。古くはスラムダンクでヒットしたバスケマンガ界ですが、その後、バスケマンガはなかなかヒットに恵まれませんでした。久々にヒットの期待のかかる「黒子のバスケ」、魅力的なキャラを取り上げてみましょう。

  • 赤司征十郎
  • キセキの世代の一人 リーダーでカリスマ 二重人格
  • 性格: 平時は穏やか 試合中は悪魔
  • 名言 : 言ったはずだ 絶対は僕だと
    元から僕は2人いて、それが入れかわっただけだ
  • アニメでの声優 : 神谷浩史

●キャラレビュー

赤司征十郎(あかし せいじゅうろう)は、ライバル「キセキの世代」の一人です。洛山高校1年生。出身校は黒子と同じ、キセキの世代と呼ばれる5人の天才を中心に中学最強の名をほしいままにした帝光中学です。ポジションはPG(ポイントガード)、身長は173cmとやや小柄。名言は「僕の命令は絶対だ」。

元帝光バスケ部では主将をしていました。黒子の力を見出した人物として描かれていますが、多くは長い間謎のままでした。黒子のバスケ、前半では青峰が最強のプレイヤーとして描かれていましたが、彼はその青峰よりも大きな存在として黒子に立ちはだかります。ジャンプ2011年 19号においてその素顔を初めて明らかにした時はあまりの危なさに読者が驚愕。火神に対して本気でハサミを突き付けたり、そのハサミにで自分の前髪を切りだしたり、「僕に逆らう奴は親でも殺す」と発言したり。不気味すぎる登場でネットでも話題になりました。

後に緑間擁する秀徳との対決がありますが、最初は周りを使うプレイに徹していました。しかしそれだけでは緑間を止められないと知ると、その後彼の能力「天帝の目(エンペラーズアイ)」を使い、秀徳の選手を圧倒。その力とは相手の動きすべてを見透かす能力。この絶対の力を前に、相手選手は地べたに座りこみ赤司を見上げるしかない状態に。むう、さすがボスキャラ。ハンパないです。「お前達がいて負けるはずがない」と発言するなど、人心掌握術にも長けている様子。油断のならない帝王ですが、以外と小柄なんですよね。そこがまた女子の心をつかむのか…

過去編前半では結構やさしい普通のキャラとして描かれていて、意外に思った人も多いはず。黒子の才能を見出し、先輩を尊重し、バスケ部の事を考え、まさに理想的なキャプテンだったのですから。しかし、紫原の反逆にあってからはチームの効率を徹底する冷徹なキャプテンに豹変。そう彼の中には二人の赤司が存在していたのです。そのきっかけは紫原ではなく、彼いわく「元から僕は2人いて、それが入れかわっただけ」だそうです。なんともアニメ的とも言えるキャラですが、彼の不気味さが物語をサスペンス的に面白くしているのは間違い無いでしょう。

誠凛との対戦序盤では意外にもゾーンに入った火神に押されてしまった赤司。しかしそのゾーン止めたのもまた赤司でした。火神と1対1の勝負の時、一瞬抜かせたように見せかけ、絶妙な動きで火神のリズムを崩し、その後のシュートを外させると言う離れ業を見せてくれます。ぬう、またも超能力を(爆)…。さらに彼は170ちょっとの身長でダンク(しかもアリウープ)を決め、観客の度肝を抜きました。パスを出した黛は「へぇ、珍しいな。テンション上がってんのか? いや、誇示か」と彼の行動を分析しています。

その後、黒子と火神を中心とした誠凛が洛山のメンバーを次々と撃破。それに激高した赤司は一人でゾーンに入り、なんと一人で誠凛を圧倒。しかしその後、火神一人では対抗出来ないと判断した黒子が二人のコンビネーションで赤司を抜き、なんと彼をひざまずかせます。圧倒的な屈辱を初めて味わった赤司。彼の精神はここで一度崩壊。今まで支配していたチームメイトからお荷物扱いされるほどのふがいなさを露呈。個人的にはここの描写が漫画として一番面白かったです。絶対的ボスが裏切られ手のひらを返される。強引ですが漫画「少年時代」にも通じる、男だからわかるスリリングさがありました。

使えないと判断し冷遇していた黛から「あんだけ偉そうに言っといてお前こんなもんか。つーか誰だお前」と言われ、隠れていた真の赤司が登場。今までいた非情な彼は勝利へのプレッシャーが生んだ勝利至上主義の赤司だったのでした。ここで復活したのは、ちゃんと人の心を持った赤司。すごい展開…。ここで赤司の真の力が発揮されます。それは試合に出ているメンバー全員を「ゾーン」に入らせる力。五将はまだしも、黛までがゾーンに入り、黒子達を苦しめます。この時、赤司自身はポイントガードとしての活躍を維持。個人としては覚醒前の妙なすごみは感じませんでしたが、周りを最大限に生かす、これが真の赤司なのでしょう。

その後最後まで試合はもつれますが、最終的に真のゾーンに入った火神、それに火をつけられた誠凛のメンバーによって、洛山は敗れてしまいます。最後の最後で黒子のフェイクに騙された、赤司。このシーンがこの試合一番の名シーンだったと言えるでしょう。

アニメの洛山戦最終回では屋上で一人ライトノベルを読む黛に敬語で歩み寄っています(EXTRAGAME‎ 単行本後編でも描かれています)。彼なりにどこか散々利用した黛の事が気にかかってたのでしょう。ちょっと良いエピソードでした。

続編「黒子のバスケEXTRAGAME‎(エクストラゲーム)」ではアメリカ代表Jabberwock相手に司令塔として活躍。しかし序盤にメンバー全員を「ゾーン」に入らせる力を封印され、苦戦のスタートとなるのでした。中盤から後半にかけて二重人格を使い分け要所要所で活躍。ナッシュの「魔王の眼(ベリアルアイ)」に押されていた彼ですが、最後は裏人格との一体化で真の赤司が誕生。そして真の「天帝の眼(エンペラーアイ)」を手に入れ、最後まで奮闘。

と、まあ、書いててはずかしくなるほど設定やら技名が中二病くさい彼ですが、彼がいないとこの作品が物足りないものになるのは確実なので、この方向で大人になるまでつっぱしっていってほしい気がします。【でんすけ】