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機動戦士ガンダムAGE(エイジ) 率直な感想
ガンダムAGE(エイジ)は2011年9月9日にはじまったガンダム通算14作目の作品。
企画、サンライズ、原作、矢立肇 富野由悠季、監督、山口晋。キャラデザイン、長野拓造、千葉道徳、メカニックデザイン海老原兼武、石垣純哉、寺岡賢司。
今回は何と言ってもレベルファイブが企画協力として制作に参加しているのが特徴です。
新しいガンダムは最初はみんな期待と不安が半分半分なもの。
今回はそんなガンダムについて、感想、キャスト、声優、主題歌について書いてみたいと思います。
※作品のあらすじはこちら
●率直な感想
やはりイナズマイレブンに近いテイスト。古き良き「子どもが熱中するアニメ」的なのは最近の腐女向けキャラ連発のガンダムに対する反動なのでしょうか。劇中で流れる音楽もほぼイナズマイレブンの劇中音楽に近いです。最初から思いっきり王道の展開。学校に通う場面も描かれ、混沌の中の平和をアピール。幼馴染から語られる過去の話。仲間のピンチになし崩し的にガンダムに乗り込むフリット。子供が戦うことに疑問も持たず協力していく大人たち…。
なんだか今までのガンダムで一番王道を行っている気がします。これが普通の制作会社だと「子供っぽ過ぎる」と批判をあびてしまいそうですが、そこはレベルファイブ、なにかやってくれそうな期待はありました。「イナズマイレブンの吹雪君」のように、影のある展開もいくつか盛り込む予想が出来ますね。
初回は強そうな仲間、ラーガンが一瞬でやられてしまったり、ちょっと拍子抜けなサブキャラクター達でしたがこれから活躍しそうなにおいもします。
キャラデザインはどこかテレビ東京系のアニメの感じがします。イナズマイレブンはもちろんですが、ポケモンなんかに通じるデザインもあり。そして何より80年代コロコロコミックの漫画ような髪型と服装!!なんだか正しい5時からアニメを見ているような気分になったのは今までのガンダムでは無かったこと。新システムのAGEシステムも「相手に合わせて自動で武器を作りだす」と言うとんでもないシステム。武器を射出するバルガスがまるでパンを投げるジャムおじさんに見えました。
ちょっと希望が見えてきたのはライバルであり先輩でもある白い狼、ウルフエ・ニアクルが登場したあたりから。シャアとは違いますがなかなか良い味を出しています。やはり日野LEVEL5作品には「仲間」がいないと始まりません。その後は新たな換装モビルスーツ「ガンダムタイタス」やウルフの乗る「Gエグゼス」とモビルスーツも出そろって来ました。面白くなる予感は見え始めたものの、主人公フリットの単純すぎる性格、矛盾する行動が目立ち、今一歩のところで水を差されている気がするのが残念です。敵キャラが長いこと「感情の無いモビルスーツ」なのも間延びしている原因かと。ウルフはそのかっこよさを順調に発揮していました。
物語はやがてデシルと言う子どもとの戦いになって行きます。このデシルがなんとも言えない不快オーラを発するキャラです(爆)。彼が高い声でどこかで聞いたようなセリフを発するたびに見ているこちらはイライラしました。狙ってるのでしょうが、悪役としての魅力はいまいちかな。さらにヒロイン候補のユリンがフリットをかばって死ぬシーンは予想通りすぎてちょっと拍子抜け…。彼女がモビルスーツに乗って出てきた時点でもう出オチでしたね。ララァをやりたいのはわかりますが、あまりにそのまますぎでは??第一期は、一つ一つのストーリーが、かみ合いそうでかみ合わない印象です。
物語はやがてフリットの怒りの覚醒によって佳境に入ります。怒りで能力をフル活動したフリットは周りをふりほどいてUEの撃滅に身を投じますが…。
今回のガンダムは三世代によって描かれる壮大なストーリー。フリットの子供であるアセム編が2012年から始まり、ひげをたくわえ大人になったフリットも登場。本番はここからと言ったところでしょう。
アニメ開始前から「子供っぽ過ぎるガンダム」と揶揄されてきたこのガンダムAGE、もしかしたらいったん油断させて、まさかの展開を設ける。そしてその温度差とインパクトでファンをつかむ。レベルファイブの計画が見て取れます。しかし、今のところそれがうまくは行っていないかな。
物語はやがてフリットの子供、アセムの時代へ。
2部の主人公、アセムは爽やかな高校生として登場します。出だしはまずまず。新しいアニメの様で良いですね。一部の主人公、フリットはひげをはやし、大人と言うよりも初老の雰囲気。一気に老けたな…。性格は一部よりもさらにひねくれ、復讐に心を燃やす鬱屈した中年に。
一通りキーとなる人物が登場したところでさっそくヴェイガンに襲われるアセム。早速ガンダムに乗り込み応戦。相変わらず唐突に戦闘がはじまります。戦闘も単調で、戦う動機がいまいち見えず、本人の意思もよくわからずのままなのは一部とあまり変わらないですね。あと、バルガスが現役で、さらなるドワーフなのもちょっと…(爆)
一方でいくつか期待の持てる要素も。ゼハート・ガレットは一部にはいなかったタイプのキャラでデザインもかなりいい感じ。こちらはヴェイガン側のスパイと言う設定です(個人的にガンダムSEEDディスティニーのレイとかぶりますが)。アセムはフリットよりもパリッとした明るい性格のようで好印象。ZのカミーユをすっとばしてZZのジュドーまで行った感じ。っと思ったらXラウンダーとの力の差にやっぱりウジウジ。カミーユっぽくなっていったアセムなのでした。AGE-2に乗ってからもフリットに実力差を見せつけられるなど、なにかと不遇のアセム。しかし世間から、フリットよりは好かれている模様。特筆すべきはアセムが「Xラウンダー」ではないこと。いわばニュータイプでは無いパイロットが技術で敵を上回っている状態。なかなかに胸躍る設定です。ガンダムAGE最大の良心、ウルフさんも死んでしまったり、なにかとシリアスな展開が続いたアセム編。おそらく一部の不評を参考にテコ入れしてきたのでしょう。敵のパイロットとのやりとりがある分、面白くなってきたと言えなくはありません。とくにゼハートとの戦闘はフリット編がひどすぎただけにとても面白く感じるから不思議。最後は逆襲のシャアの最後のアムロとシャアを思わせる感動の場面も用意されていました。こうしてめまぐるしく終わってしまったアセム編でしたが、個人的にはぜハートや中年ウルフ、アセムなど好きなキャラが多く、好印象でした。
物語はやがてアセムの子供、キオの時代へ。
2部の主人公、キオはまだあどけない少年。よりおぼっちゃんぽいのが特徴です。フリットとはまた違う少年っぽさがあって良いですね。どこかジブリ作品の少年キャラの様です。
物語序盤からアセムが死んでしまいます。いきなり「アセム退場かよ!」っとつっこんでしまいました。そこら編は日野氏の狙い通りといったところでしょうか。早速ガンダムに乗る展開もいつもどおり。今回はガンダムZZを意識している模様で、モビルスーツも変形合体する構造。ううむ。カッコ良いのかは微妙だな…。
物語が進むと、幼かったキオの心に変化が見られます。身近な人の死、そしてやがて貫かれていく「殺さず」の心。ヴェイガンせん滅をはかるフリットとはやがて対立することになりますが、このアセムじいさん、キオには甘いなぁ。アセムだったら鉄拳で殴られてるところだw。そしてそのアセムはなんと、宇宙海賊として生きていたことが発覚。いや、予想はできたけど、まさか宇宙海賊とは。キャプテンハーロックみたいでいいですけどね。キオが乗るモビルスーツもガンダムFXに変化。ガンダムAGEが初代ガンダム、AGE2がZガンダム、AGE3がZZだとするとFXはニューガンダムと言ったところでしょうか。
物語も終盤に入って、主要キャラ達が死んでいきます。まずはセリック・アビス。彼はXラウンダーでは無いけれど、その冷静な判断能力で戦闘能力も指揮能力もトップクラス。謎の行動が多いAGEのキャラの中でも特に好感が持てただけに残念でした。しかも死に方が敵艦にひっかかった上の巻き込まれて死って…。
その次の話では「キノコ」ことオブライトが敵のフラム、レイルを撃破して特攻死。おいおい、両方最強クラスのXラウンダーじゃないか。それを倒すなんてやるなキノコ。
その後アセムが狂って暴走したゼハートを難無く撃破。最後に楽しかった学生時代を思い出すゼハート。そして死。っておいい!!!!!!散々他のキャラの死については取り上げてきたのに、ゼハートの死はいやにあっさりすぎやしませんか!??彼はこの物語では最重要キャラと言っても過言ではなかったはず。しかも最後が不幸すぎる…。ゼハートは不評だったフリット編を払拭するためにキーとなったキャラだけに、この最後はなんだか残念でなりません。
そして最終話に突入。ここで無理やり伏線を回収すべく最強の無人モビルアーマー、シド登場。これまた最強のXラウンダーでイゼルカントのクローン「ゼラ・ギンス」と合体。…むりやり感もここまでくると関心します。AGEらしいと言えばらしいのかな。最後まで一貫してたとも言えるでしょう。最後にはフリットもキオの呼びかけにより改心。ヴェイガンの戦士と協力して壊れかけたセカンドムーンを救出することに。その後にイゼルカントはキオに思いを託し死亡。こうして長い戦争は終結。っと、なんだか最終話の駆け足感がすごかったですね。キオに未来をたくしたイゼルカントだけど、ゼハートとは一体なんだったのかとも呼べる展開で微妙な気持ちになりました。ラスボスはとりあえず登場した感がいなめないし…。
そして最後の疑問を一言。結局Xラウンダーではないアセム、オブライト(キノコ)、セリック、ウルフが最強だったわけですが、じゃあXラウンダーとは一体…!?
…っと、つっこみどころだらけのガンダムAGEですが、こうしてめでたく(?)最後を迎えました。「殺さず」を貫いたキオと、νガンダムを意識した様なガンダムFXは個人的にかっこよかっとと思います。【でんすけ】
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