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人吉善吉 キャラレビュー

めだかボックスは2009年から2013年まで週刊少年ジャンプで連載されていた人気マンガ。原作/西尾維新 漫画/暁月あきら。 主人公「めだか」をとりまく学園もの漫画で、最初はなんでも屋的漫画でしたが徐々にバトル化、それに従いサブキャラ達の人気もどんどん上がりました。めだかボックスには主人公「めだか」以上に魅力的な存在のサブキャラ達が多数登場します。今回はそんな「めだかボックス」の個人的キャラレビューを書いてみたいと思います。
※作品の感想はこちら

  • 人吉 善吉(ひとよし ぜんきち)
  • 箱庭学園、生徒会庶務て1年1組の男子。
  • 名言 「お前にひとつだけ言っておいてやる」
  • アニメでの声優 小野友樹

●キャラレビュー

作品において、黒髪めだかと対をなすもう一人の主人公でもある善吉です。 格闘技、サバットを生かした足技が得意。特殊能力は安心院から譲り受けた欲視力(パラサイトシーイング)。

登場時は彼の口からめだかを中心に多くの事が語られ、読者目線の善良なキャラとして、万能の神の様な存在、めだかとは対象的に描かれるはずでした。 しかし彼は完全なる凡人どころか格闘技を中心に序盤から結構活躍してしまうため、「めだかの凄さを際立たせる一般人」としての存在意義があまり無く、置き所の難しいキャラであったと言わざるを得ません。

めだかボックスの様な超人が主人公の漫画では対象的な一般人が一般であればあるほど作品にコントラストが出てストーリーが締まるのですが、その点では序盤から失敗してしまったと言えます。

何度も書きましたが、球磨川禊のような主人公とは「逆の超人」を出す事で凡人と対比すること無く作品を成立することに成功し、そこから一気にストーリーが締まったと言えます。
善吉が多いに魅力的に活躍したのも球磨川編に入ってから。欲視力(パラサイトシーイング)と言う能力を手にしてから晴れて超人の仲間入りし、異常な状態へ(あくまで一般人とのことですが…)。一般人設定はすっかりどこかに消え失せた様子。

そしてあげくの果てに彼には対めだか、主人公交代作戦と言う新しい存在意義を打診されるにいたります。

そう言った意味では善吉はめだかと同じで迷走して徐々に方向性が決まったキャラと言えるでしょう。 恋愛においてはけっこう男らしく、江迎に対しての描写は病的ながら女性ファンの心もつかんだのでは無いでしょうか。非常に若く頼もしい母も登場しますが、マザコンと言うほどベッタリではない様子。

それにしても、美的感覚がおかしく、勘違いした服装をする設定、好きだったんですが後半は出ませんねぇ(爆)

なんだかんだで活躍している人吉善吉ですが、彼には特殊な特技があります。

それは「変な人を惹きつける」と言うこと。

連載当初から謎の存在として物語にからんできた不知火半袖と誰よりも親しく接し、受け入れてくれる人が球磨川しかいなかった江迎に惚れられ、絶対的存在である黒神めだかに一目置かれるなど、とにかく変った人に好かれます。これはめだかボックスにおいて、彼にだけ備わった能力では無いでしょうか。

特に不知火半袖などは、彼とのやり取りがなければちょっと不気味な存在でしか無かったでしょう。彼との描写により、半そでが「怪しくもどこか憎めない」キャラとして存在出来ている気がします。球磨川や阿久根にも一目置かれ、安心院からもめだかへの対抗馬として扱われるなど、やはり物語において「特別」な存在の人吉。これまたジャンプ紙上でも特殊なキャラだと言えるでしょう。後半はすっかり主人公らしくなり、生徒会長にまで登りつめますが、最後まで一途にめだかを追いかける彼の心がゆらぐことはありませんでした。優しく強い彼がモテるのも仕方がありませんね。

最終回では大人になった彼の姿を見ることが出来ます。鶴喰とともに黒神グループの一員となって活躍しているのもちょっと意外だったかな。だって、平たく言えばサラリーマンじゃん!!【でんすけ】