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黒神めだか キャラレビュー

めだかボックスは2009年から2013年まで週刊少年ジャンプで連載されていた人気マンガ。原作/西尾維新 漫画/暁月あきら。 主人公「めだか」をとりまく学園もの漫画で、最初はなんでも屋的漫画でしたが徐々にバトル化、それに従いサブキャラ達の人気もどんどん上がりました。めだかボックスには主人公「めだか」以上に魅力的な存在のサブキャラ達が多数登場します。今回はそんな「めだかボックス」の個人的キャラレビューを書いてみたいと思います。
※作品の感想はこちら

  • 黒神めだか めだかボックスの主人公。
  • 箱庭学園の、第98・99代生徒会長。
  • 1年13組の女子。誕生日は10月2日。
  • 名言「勝つ者が強いのではない。負けて這い上がる者が強いのだ!」
  • アニメでの声優 豊崎愛生

●キャラレビュー

彼女の万能ぶりは半端では無く、容姿はもちろん、頭も良く、バトルやスポーツなどフィジカル面でも最強をほこり、おまけにお金持ちと言う稀有な存在。 もちろん本作の主人公ではあるが、ジャンプにおいてこの万能な設定のキャラを主人公にすえたのは大変な冒険だったのでは無いでしょうか。

原作者の西尾維新はかなりの策士、天然でこの万能キャラを主役にしたのでは無いでしょう。別のジャンプ漫画、テニスの王子様の主人公、越前リョーマは万能すぎて面白味のない主人公と化し、他のキャラの方がリアル人気は高かったはずですが、西尾がわざわざその状態を狙うとは思えません。

ではなぜ、こんなとんでもキャラを主役にしたのか。 いくつか考えられますが、まず連載当初に社会現象になっていた涼宮ハルヒの存在があります。

容姿端麗でなんでもこなす万能キャラ、そしてツンデレ。生徒会。かぶる要素は沢山あり、意識していないと言う方が不自然なほど。 その様な作品をジャンプでも、と考えたのは想像に難しくありません。しかし、そんな単純にかぶせてくるかなぁ…。

今になってわかる事ですが、「絶対すぎる主人公にたち向かう魅力あるサブキャラ達」と言う図式にするため、あえて最初にラスボスのようなキャラを主人公に据えたととしたらどうでしょう。
いくら西尾維新でもそこまでは計算していたわけでは無いでしょうからやっぱりハルヒ説が濃厚かなと思いますが、ある程度の変更が効くように伏線を引いていたのかもしれませんね。

作画の美しさとポップさが徐々にキャラと合体していったのは姉、黒神くじらが出てきたあたりかな。本人の精神的もろさを喜界島にも見抜かれるなどの描写も結構おいしかったのだけれど、彼女の魅力が本格的に出てくるのはまだ先の話。(その2へ続く)【でんすけ】

めだかは正直そんなに魅力ある主人公だとは思いませんでした。作中で様々なキャラの口から、さも魅力があるように語られているので、読者からしたら結構な温度差があったはず。むしろ女子としては喜界島のようなタイプのほうが愛されているでしょう。あのおっぱいも不自然な大きさなため、キャラとしてそんなに武器になっていない様子。

そんな状態に呼応するように、作品自体連載当初はなかなか苦戦しており、その原因の大きな一つが「めだかの魅力がつかみづらい」点であったと感じます。

彼女のキャラが生きたのは彼女とは正反対のキャラ、球磨川禊が登場してから。善吉は半端に才能のあるキャラなのでめだかとの対比にはなりえませんでした。そこで球磨川。

彼はマイナスと言う逆に振り切った才能でめだかとのコントラストを醸し出しました。球磨川が登場してからの彼女の動きはなかなかどうして主人公然としていて、今まで共感出来なかった読者も引き付けることに成功、そして作品は思わぬ展開を迎えます。

先ほども書きましたが、主人公であるめだかをラスボス扱いすると言う図式です。 登場時の完璧キャラ主人公への疑問もこれで解決。むしろ大きな伏線だったと。 綺麗すぎるまとめ方ですが、恐らく計算してのことでは無いだろうな。

連載当初の苦戦からバトルへの方向転換→さらなる苦戦からの球磨川登場→そして成功。

めだかのキャラと存在意義確立と言った流れでしょうか。 万能的な主人公は苦労を知る主人公でもありました。その後「刺客 鶴喰鴎」との戦いで「仲間がいない方が強い究極のソリスト」と評されることに。彼女はその後、どんどん人間らしくなっていきます。生徒会長戦で善吉に負けることで、絶対王者であることから解放された彼女は精神的な強さと、本当の意味でのカリスマ性を発揮。のちに学園を仲間に託し、黒神グループの総帥になります。まあ、やはり彼女は善吉がいたからこそ輝いたキャラでしょうね。現実世界では人気投票で圧倒的に球磨川に負ける不運な主人公でもありました。