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銀魂 感想

「銀魂」は現在週刊少年ジャンプで連載中のSF時代劇漫画です。2011年7月の時点でコミックス累計3600万部数以上発行され、2006年4月からテレビアニメ化、その後ゲーム化、ドラマCD化、小説化もされるなど、ジャンプトップクラスの人気を持つ作品の銀魂。個性的なキャラ達はそれぞれが根強いファンを獲得しています。今回はそんな銀魂について、超個人的な感想を書いていきたいと思います
※キャラレビューはこちら

●キャラレビュー

初めて銀魂を読んだときは特に絵に印象があるわけでもなく、ただのゆるいギャグ漫画という印象でした。ですが、天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人によって開国された江戸時代という架空の舞台には凄く興味がわきました。

街並みは木造の長屋が立ち並び、行き交う人々も着物を纏い髷を結っています。人々の手には携帯電話、家の中には一通りの家電製品がそろっていて空には宇宙船。更には人々に紛れて個性豊かな宇宙人もその辺をウロウロしているというなんとも無茶苦茶な舞台の漫画、銀魂。本当に大丈夫かこの漫画…それが最初の正直な感想だった気がします。

物語は天人襲来から20年後、江戸のかぶき町を舞台に主人公坂田銀時が剣道道場の跡取り志村新八と天人夜兎族の神楽と出会い、万事屋として様々なドタバタに巻き込まれていきます。

初めは1~3話で一つの話が完結するギャグ中心のストーリーで、そのギャグは話数が進むにつれ下ネタや、過激で下品なものが増えてくるので苦手な人は要注意です。(笑)

銀時と神楽のボケに対する新八のツッコミも激しく、テンポがいいので読みやすく、絵も比較的単調な絵なのでスクリーントーン等で目がチカチカすることもありませんでした。パロディが多いのも特徴の一つで他の漫画や歴史上の人物の名前をおもしろおかしく捻って登場させたりしているので、パロディ元を探したりするのも結構楽しかったりします。ですが、問題が一つ。

銀魂はセリフがとても多い漫画なので漫画を絵で読む人にとっては疲れる漫画かもしれません。

この「セリフが多いマンガは読みづらい説」はこち亀において指摘されていた部分でもありました(銀魂の事をさすかは不明)。絵においても、けしてうまい訳では無く、人によってかなり好き嫌いが分かれる部分でしょう。しかし、銀魂の魅力はそう言う技術的な部分だけではありません。とりあげるテーマのセンスの良さや、形にとらわれないぶっちゃけた部分こそが魅力と言えるでしょう。

そんな銀魂ですが、時々挟んでくる過去の話や、長編にも魅力があります。ギャグはもちろんありますが、比較的シリアスな内容が多いのが過去編や長編たち。

友情や愛情を再確認するようなシーン、時には涙を誘うシーンも多々あります。銀時の過去なんかは不明な部分が多いのですが、今のところかなり重い過去を背負っているように感じます。でも、ゆるくふざけたキャラクター達が本気になるシーンがとにかくかっこいい!ぐっとくるような名セリフもかなりあります。これがきっと銀魂女性人気の理由のひとつだと思われるギャップ萌えですね(爆)

長編が終わって、いつものふざけたキャラクター達に戻ってもなんだかかっこよく見えてしまうんですよね。現に私の周りにも銀魂のキャラクターと付き合いたい!結婚したい!と言っている夢見る女の子達がたくさんいます(笑)。その秘密は、先ほども述べましたが、シリアス編とギャグ編で見せるギャップにあると思います。 真面目すぎるキャラも面白くない。ギャグばかりでもかっこ悪い。その中間のバランスを見事に取ってくれているのが銀魂のキャラ達なのです。銀さんをはじめ、土方さん、桂さんなど可愛いとかっこいいのバランスがとにかく最高なのです。まあ、近藤さん、長谷川さんあたりは常にギャグのさなかにいる気がしますが…。

・アニメ化の出来

私はアニメ化によくある無理やりなオリジナルストーリーがあまり好きではないのですが、銀魂はかなり原作に忠実にアニメ化されていると思います。 過激な表現もそのままで、問題視されているというウワサも聞いたことがあります(漣邦関連の話だとか、下ネタ関連だとか、あげればキリがありません。この攻めの姿勢も銀魂の魅力でしょう)。

確かに幼い子にとっては下品で教育上良いとは言い切れませんが、アニメでも忠実に再現されている銀魂の人情には学ぶ部分もたくさんあるのではないかなと思います(少し強引ですが)。 乱暴に言ってしまえば、大人向けのクレヨンしんちゃんみたいなものですかね?

銀魂はとっても薄っぺらく深い漫画。しかしその薄さの中にも光り輝く魅力がちりばめられている漫画。 人気漫画は連載を長引かせてダラダラ、グダグダになってしまうケースがありますが、銀魂は仮にそうなっても読めちゃう漫画じゃないでしょうか。 だって元から主人公がダラダラ、グダグダですから。受け入れ難い所はあるけれど、好きな人はとことん好きな漫画、それが銀魂と言う漫画です。【ことひめ】